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診断時:47歳
インタビュー時:54歳(2008年7月)
北海道内で夫と2人暮らし。2001年にⅣ期の乳がんと診断された。3年ほど前からしこりに気づいていたが、当時夫が悪性リンパ腫の闘病中だったこともあり、病院に行く勇気がなく、放置。受診時には既に胸が陥没し、痛みも強かった。手術はせずに抗がん剤治療とホルモン療法(2003年に両卵巣摘出)を受けた。
語りの内容
私は、平成13年にがん告知を受けました。その前に、主人ががんにかかっていまして。もう、私のほうも、そのときにある程度、自分の中では怪しいなっていうものはありましたが、なかなか病院に行く勇気はなくて、それから3年間、放っておきました。それで、もう、4期だったんですね。
――どうして自分で病院に行ってみようっていうふうに思われたんですか?
それはやっぱり「ちょっと怪しい、これは行かなきゃ駄目だな」っていうふうに思われたんですか?
うーん、もうそのときには胸も陥没していましたし、痛くて痛くて膿が出て、もうどうしようもない状態になっていました。主人は退職をして、引越や何かをしなくちゃいけなかった時期だったし、そういう、やはり男の人は力仕事ですけど、女手じゃないと引越ってなかなかうまくいかないものですよね。もの片付けしたりしないといけないので。そうこうしているうちにやっぱり日にちがたって。で、どうしてももう我慢できなくなって。それでも一緒に暮らして、もう私は、もう駄目だって自分で思い込んでいたもんですから、主人との生活をこの部屋で2カ月間暮らして、もう私は死ぬんだなっていう、そんな気持ちで病院に行きました。
インタビュー24
- 怪しいなと思っていたが、夫の療養と重なり3年間放っておいたら、胸が陥没してしまい、もう駄目だと思って病院に行った
- 抗がん剤のあと、8時間くらいするともうろうとしてきた。つらかったのは3日間だけで、その間は母親のおなかの中にいるように丸まって眠り続けた
- 食事のカロリーバランスを考えて野菜中心で、温野菜にしたり、サラダでも冷蔵庫で冷やさないようにしたりしている
- 体調が悪くて、当日、急にキャンセルすることもあり、友人付き合いがうまくいかなかった。「もう長くないみたい」というような言葉が、友人には重すぎたのかもしれない
- 親しい人が病気になったとき、自分だったら、患者のことを思っているとはいえ、心の中にずかずか入っていくようなことはしたくないと思う