セカンド・オピニオンとは、病気の診断や治療法について、自分の主治医以外の医師から意見を聞いて、意思決定の参考にすることです。セカンド・オピニオンを受けた人たちの多くが、その理由について、診断や病状を確認したかった、または術式や補助療法、再発時の治療法を検討するために他の医師の意見を聞きたかったと語っています。ここでは、乳がんの体験者のセカンド・オピニオンに関する語りを紹介します。(病院・医師の選択、治療の選択と意思決定にも関連する内容があります)
セカンド・オピニオンを活用した人たちは、治療法を決定することや、納得して治療に取り組むことに役立ったと話しています。
セカンド・オピニオンを受ける病院や医師を選ぶ際の情報源は、家族や知人、インターネット、雑誌やテレビなどのメディアでした。実際に診察を受けずインターネット上の信頼できるQ&Aサイトを活用したという人も複数いました。最初の治療時にはできなかったが、再発の治療を検討する上で、セカンド・オピニオンを活用しながら、複数の情報を統合して判断している人もいました。
インタビューに協力してくださった方の中には、セカンド・オピニオンを受けなかった人たちもいました。セカンド・オピニオンということを知らなかった、診断を受けた当初は余裕がなかったと話す人は少なくありませんでした。しかし、中には、提示された治療に納得した、医師が信頼できたなどという理由でセカンド・オピニオンを受けなかった人たちもいました。
最初の病院や医療者の対応によっては、診断や治療法を確認することに加え、治療を受ける病院を探すためにセカンド・オピニオンを役立てている人もいました。セカンド・オピニオンを受けることを勧める医師がいる一方で、体験者の中にはセカンド・オピニオンを受けたいと思っても、医師に言い出しにくいと感じたり、検査結果を貸してもらえなかったりしたと語った人もいました。
手術前には気持ちの余裕がなく、手術が終わったあとセカンド・オピニオンを受けた女性は、セカンド・オピニオンを受けるタイミングについて語っています。
別の病院にかかるのは勇気の要ることだと話す人もいました。この女性は再発の兆候に対する主治医の意見に疑問を感じ、遠方の病院に行ったそうです。また、温存手術ができたかもしれないとあとで知った女性は、自分の経験からセカンド・オピニオンを受けて後悔しないようにしてほしいと話していました。
2017年2月更新
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