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診断時:49歳
インタビュー時:54歳(2009年6月)
甲信越地方在住。2004年8月、左乳がんと診断され、左乳房切除術、リンパ節郭清、術後抗がん剤治療を受けた。10ヶ月ほどして首の付け根のしこりに気づき、受診した折に、疑問を感じ、都会の病院に転院することにした。切除後の左胸にがんがあるため、放射線治療を行い、その後は経過観察している。 診断時、夫と2人暮らし。パートをしていたが、病気がわかって辞めた。
語りの内容
あるとき、体を触れておりましたら、首のつけ根にごろごろするものがあると感じまして、これは先生がよく前からおっしゃってたんですけど、鎖骨(のリンパ節)に入れば人間は死ぬと。助けてあげることができないということを聞いてましたので、私はこのまま…危ないなと思いまして、すぐにまあ病院に行ったのですけれども。やっぱり先生は、がんを疑っていて、あのー、すぐに入院をして抗がん剤を、あの、使いましょうという先生の最初の説明だったように思いました。で、私は、その説明がとても、あのー、納得できなくて、そこで、ちょっと考えたというのが最初でした。
なぜ調べないですぐに先生はまあがんと言えるのだろうかとか、単純な疑問がなぜか私の頭に浮かんでまいりまして、それはどうしても、あのー、納得いかなかったことが事実です。
でも、先生は、ちょっと、ちょっと待ちましょうと。…で、抗がん剤も、「どんな抗がん剤ですか」と言ったら、前と同じっておっしゃったのか、まあ、強い薬を、あのー、使えば早く終わりますという説明だったように思いました。で、強い薬だとまた髪の毛が抜けるんだなというふうに、あのー、そのときは自分で、「じゃ、強いお薬をお願いします」と言って帰ってきたんですけれども、そこからどんどんと、どうしたらいいのかと自分で考えるようになりました。
どうしたら、まあ、雑誌でいう名医にかかれるかと。自分でも、このままでは私の生命が危ないんじゃないかと毎日悩むようになりまして、考えておりましたら、母親の…親戚に、医療に詳しい人がいるということが分かりまして、連絡をいたしまして、違う病院を紹介していただきました。病院はとても遠かったのですけれども、まあ、名医にかかれるのであればと思い、そちらのほうへ行くことに決心いたしました。
何時間もかけて遠方へ行くことになるので、多分、相談を受けた方も、本当に、来れるのかと最初は心配してくださってたように思います。でも、ほんとに、もし両方の先生が同じ意見であれば、それはそれでいいなと思い、違う病院へ行きたいなという気持ちのほうが自分では強かったです。
インタビュー50
- 後悔していることは検診をもっと早く受けておけばよかったということだ。地域で子宮がん検診などの案内は目にしていたが乳がん検診というのは頭になかった(音声のみ)
- 首の付け根に腫れを感じ、主治医に診せたが、説明に納得できず治療を受けるか悩んだ。違う病院で診てもらいたかったので、遠方だが親戚が紹介してくれた病院へ行ってみた(音声のみ)
- 遠方ゆえに具合が悪くても受診日まで我慢してしまうことがある。別の病院に行くのはよほどでないと思い切れない。病院はよく調べて選ぶことが必要だと思う(音声のみ)
- セカンド・オピニオンの医師の診断を信頼して、それからも診てもらっている。同じ意見だったら考えたと思う。勇気の要ることだがセカンド・オピニオンを聞いた方がよい(音声のみ)
- 苦しかった3日間は水だけが美味しく感じ、何も食べたくなかった。治療中は人間ではない動物のような嗅覚になり、自分の体のにおいでさえ臭く感じた(音声のみ)
- かつらのことは先輩の患者さんに教えてもらった。髪の毛が抜けると、こんなにも頭から皮脂が出るものだとびっくりした。毎日洗っていても皮脂で臭かった(音声のみ)