※写真をクリックすると、動画の再生が始まります。
診断時:65歳
インタビュー時:66歳(2008年9月)
首都圏在住。定年退職後の夫と2人暮らしの専業主婦。息子と娘がいる。 2007年夏、検診で異常が見つかり、精密検査の結果、右乳がんと診断された。乳房温存手術+リンパ節郭清を受け、術後は化学療法、放射線療法を行った。現在は経過観察中。
語りの内容
私がもう30年以上、スイミングクラブに入って、大して泳げるわけじゃ…泳ぎとか、形なんかは下手なんですけれども、長く続けてきておりますので、楽には泳げていました、今までも。ですけど、この1年間水に入ってなかったし、最初は大丈夫かなと思って行ったんですけれど、最初プールに入ったら、何かくらくらっていう気持ちがしました。けれど、もうその辺は、やはり泳ぎ出しというのは、慣れていましたから、徐々に徐々に、最初は歩き、水中ウォーキングから始めまして。その水中ウォーキングというのは、これは膝とか、腰とか、悪い人にはとてもいいというふうに、私の行っているクラブでも高齢者がいっぱいやっております。
私の場合は足の裏がしびれて、普通のとこをサッサと歩くのは、かなりしびれているなあと思いながら歩いているんですけれど、水中ですと、それほど抵抗なく歩けました。泳ぐのは最初25メートル行くかなと思ったんですけれど、何かもう思いのほかにたどり着きまして。それで私の場合、特に右の腕が動かしたり、リハビリをしたいというので、フォームも気を付けて、左右対称になるようにやって。それで、だんだん200メートル、500メートル、1キロぐらいまで泳げるようになりました。友達にも形を見てもらいましたけれど、左右対称に動いてるっていうように言われて。えー、バックはどうかなと思ったんですけれど、何とかバックも泳げますし。やはり水中ですと、抵抗が、普通の地上で動かすよりも動かしやすいなと思って、やはりこれは一番合っているかなと思っています。
インタビュー37
- 婦人科で手術した経験があり、乳がんにならないと思っていたが、自治体の検診で見つかった
- 段階を経てがんだと知らされたので、それほどショックはなかった
- いつも待合室で深刻な顔をした家族連れを見て、自分はそうなりたくなかったので、一人で診断を聞きに行った
- 手術で切り取った部分は直径9センチ、厚み2.5センチということだったが、それほどひどい乳房の変形もなく、以前の水着を着ても気にならない
- 乳房は温存できたが、センチネルリンパ節の一つが陽性だったので、リンパ節の一次郭清(※)をした
- 抗がん剤の点滴をして2-3日は胃の中に鉄の塊が入っているような重い感じが続き、すーっと楽になる。白血球が減ったり、爪の変化や口内炎、脱毛が起きた
- エックス線照射を25回やった後で、追加で電子線照射(※)を5回やった。苦痛もなく、副作用は皮膚がヒリヒリする程度だった(テキストのみ)
- 抗がん剤の副作用で足のしびれがあるときも、水中ウォーキングが抵抗なく歩けたし、腕のリハビリを兼ねて泳いでいたら1キロも泳げるようになった
- 毎月8万円を超える出費は戻ってきたが、治療費は合計で100万円以上かかっている。健康食品が月3万円、マッサージ代も2万円くらいかかる
- ボランティアやサークル仲間、親友には病気のことを伝えたが、滅多に会わない人には伝えていない。副作用など人にはわかってもらえないと思うことは話さないようにしている