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診断時:39歳
インタビュー時:46歳(2008年10月)
北海道在住。2001年秋、左乳がんと診断され、左乳房切除術とリンパ節郭清術を受け、術後は放射線療法、化学療法、ホルモン療法を行った。術後5年ほどして、左腕がリンパ浮腫となり、現在は病院でリンパマッサージを受けている。夫の両親、夫と子ども2人の6人暮らし。パート勤務で、治療のため退職し、4年後から事務系のパートを再開した。
語りの内容
約2年前の7月ですね。そのときに、主人からブレスレット、プレゼントされたんですよ。それも健康にいいっていうので、何か(笑)1本だけだったら右手にしたんですけど、両方にブレスレット、プレゼントされたんですよ。何か、健康器具だからってことで。
私は、退院するときに、「こっちの左手に、時計もしちゃ駄目だよ」とかって言われてたので、ずっとそれ、守ってきたんですよね。それで、あのー、手術後、左腕のひじだけ痛みが残ったんですよ。これだけね。それで、退院して先生に、「左ひじだけ冷たい風に当たったりすると痛みを感じる」って言ったんですよね。そしたら、「どこかそこかには後遺症は残る」って言われたんです。それで、下着のゴム、七分のゴムなども、ゴムついてたら、そこの跡が残るんですよね。それで、ゴムの、そでのゴムも全部、左側は切っちゃって。あと、そういうそでがついてるもの、上げ下げするだけですごい感じやすかったんですよ。だから、夏、服…半そでの服を着るときも、こうデパートとかああいう冷暖房の効いたとこに行くと、左腕が痛くなるんですよね。それで、半そでのTシャツは着るんだけど、左だけ、あのー、布製の、タオルのようなやつで、要するにここからここまでの、タオル地でこう、ここを、ここを防御してたんですね、風当たらないように。して、何も風の当たらないときはそれを外すとか、そういう形で、5年間、気使ってきたので、何ともなかったんですが。
やっぱりそのブレスレット、プレゼントされて、しないわけいかなく(笑)。まあ、大丈夫だろうと思って、したんですよね。そうして、2~3日ぐらいしてたのかな。したら、ブレスレット、こう動きますよね。したら、ここら辺で止まってたんですよ。それから腫れちゃったんです。元に戻らないんです。
インタビュー40
- 腫瘍が8センチと大きいため乳房切除することになったが、術後に「筋肉は温存できた」と言われ、筋肉も取る予定だったことを後から知った (音声のみ)
- 5年間は時計もつけずに腕を締め付けないよう気をつけていたが、ブレスレット型の健康器具をつけたのがきっかけで、リンパ浮腫を発症したと思う (音声のみ)
- 字を書いたり、手を振って歩いたりするだけでも腕がむくんだり、重く感じるようになったりする (音声のみ)
- リンパ浮腫になり、形成外科で包帯の巻き方を教わって自分で巻いていたが、年々腕が太くなってきたので、今は資格を持つ看護師にリンパマッサージを受けている (音声のみ)
- 大きく乳房を切除した断面にがんがあり、リンパ節転移が8個あったので、放射線治療もすることになったが、副作用は軽くて済んだ (音声のみ)
- 本人以上にショックで傷を見たくないと言った夫が、あるとき「傷を見たい」と言ったので、「これが私の体だよ」と見せた。それから病気のことも心底話せるようになった(音声のみ)
- 手術後2年ほど経ってから、小学校低学年の息子と一緒にお風呂に入ったが、背中を向けて息子が傷から目をそらせていたので、子どもながらに気を遣っていると思った(音声のみ)
- 娘が友だちに「がんならお母さん終わってるね」と言われ、つらい思いをさせた。息子は今、中1で「プロサッカー選手になるまで頑張って」と言ってくれている(音声のみ)
- 周りの人たちに乳がんのことを隠してもしょうがないと思っているが、義父母が周りの目を気にするので、親戚や近所には話していない(テキストのみ)