診断時:65歳
インタビュー時:66歳(2008年9月)
首都圏在住。定年退職後の夫と2人暮らしの専業主婦。息子と娘がいる。 2007年夏、検診で異常が見つかり、精密検査の結果、右乳がんと診断された。乳房温存手術+リンパ節郭清を受け、術後は化学療法、放射線療法を行った。現在は経過観察中。
語りの内容
そして、やっと放射線が始まったのは、5月の2日ごろです。放射線の医師は30代の女の先生で、何となくホッとしました。そして、書類を見ながら、放射線の種類とか、どのぐらいかけるとかいうのを説明していただきました。 放射線は全体的に、2グレイを週に5回を25回、合計50グレイですね。で、その後、手術した跡、切った跡ですね、その上にまーるく電子線というのを5グレイを5回、あ、5グレイじゃないですね、どうなんでしょう? 10グレイですね、5回。エックス線が50と、それから電子線が10グレイです。それで、うわさに聞いておりました(照射位置の)書き込みなんですが、私の図柄はアルファベットでEという字でした。それは、放射線をかける範囲を示すものなので、「こすったり、薄くなっても書き足さないように」と注意を受けました。で、その治療(を受ける人)の顔の…人まちがいをしないように、顔写真と図柄の写真を撮って、毎回見て、私も確認して受けました。 放射線の照射は、手を上に上げて上向きに寝て数分間です。ここは何も苦痛もなくできまして、放射線の副作用は1週目ぐらいから、少し赤くなって、徐々に深く熱を持ってきまして、それでも、そんなにひどい感じではなく、5週目ぐらいで脇の下がこすれるとこが少しヒリヒリ痛くなったので、やっと塗り薬を頂いたぐらいです。で、2ヶ月検診のときには、まだ少し赤く腫れてはいましたけれど、皮膚の状態もきれいになっていました。ただ、熱はちょっと触ると熱いので、それは汗腺が働かなくなったので、熱がこもるからだということなんですね。それから、まあ肌が乾燥しているのでクリームを塗るようにと、これから寒い季節には温めたほうがいいと言われてます。確かに触ると汗をかいてないですね。まあ熱いんですけれども、中が冷たいという感じがします。
インタビュー37
- 婦人科で手術した経験があり、乳がんにならないと思っていたが、自治体の検診で見つかった
- 段階を経てがんだと知らされたので、それほどショックはなかった
- いつも待合室で深刻な顔をした家族連れを見て、自分はそうなりたくなかったので、一人で診断を聞きに行った
- 手術で切り取った部分は直径9センチ、厚み2.5センチということだったが、それほどひどい乳房の変形もなく、以前の水着を着ても気にならない
- 乳房は温存できたが、センチネルリンパ節の一つが陽性だったので、リンパ節の一次郭清(※)をした
- 抗がん剤の点滴をして2-3日は胃の中に鉄の塊が入っているような重い感じが続き、すーっと楽になる。白血球が減ったり、爪の変化や口内炎、脱毛が起きた
- エックス線照射を25回やった後で、追加で電子線照射(※)を5回やった。苦痛もなく、副作用は皮膚がヒリヒリする程度だった(テキストのみ)
- 抗がん剤の副作用で足のしびれがあるときも、水中ウォーキングが抵抗なく歩けたし、腕のリハビリを兼ねて泳いでいたら1キロも泳げるようになった
- 毎月8万円を超える出費は戻ってきたが、治療費は合計で100万円以上かかっている。健康食品が月3万円、マッサージ代も2万円くらいかかる
- ボランティアやサークル仲間、親友には病気のことを伝えたが、滅多に会わない人には伝えていない。副作用など人にはわかってもらえないと思うことは話さないようにしている