※写真をクリックすると、動画の再生が始まります。
診断時:44歳
インタビュー時:45歳(2008年4月)
首都圏在住。2007年5月に自分でしこりを発見。右乳がんと診断され、右乳房温存術、リンパ節郭清術、術後抗がん剤治療を受けた。これから放射線療法とホルモン療法を行う予定である。仕事は会社役員(代表取締役)。
語りの内容
副作用でいろんな吐き気だとか、倦怠(けんたい)感ですとか、発熱ですとか、いろんな副作用がありますよね。その中の1つで、その当初説明は受けていなかったんですけど、血管が抗がん剤によってダメージを受けてしまって血管が炎症を起こしてしまう、血管痛を起こしてしまうっていう副作用が出てしまったんです。
それが、2クール目に入るときに「何か異常がありますか?」って聞かれて、最初は特に異常だと思わなかったんですけども、副作用だと思ってなかったんですけど、「何かちょっとこの腕が、腕の中が突っ張るような感じがするんです」っていうふうに、私は最初感じて、まあそれが報告すべきものなのかどうかも最初は分からなかったんですけど、「取りあえず何か変わったことがあれば何でもおっしゃってください」って、看護師さんがおっしゃるので、それをお伝えしたら、「ああ、血管痛が起きてしまったのかしら」っていうふうに、看護師さんがおっしゃって。
で、そのとき初めて抗がん剤による副作用で血管の炎症、血管痛ですね、というものがあるっていうことを知ったんですね。その血管痛を起こしている薬は、FEC(*)療法の3種類の薬の中のファルモルビシンっていうものらしいんですけれども。それによる血管痛の副作用が出てしまうっていうことが分かって。で、2クール目はちょっと場所を変えて点滴を打って、それで様子を見ようっていうことだったんですが、結果的には血管痛がどんどんひどくなってしまって、それで、ちょっともう3クール目の点滴を打ったときには、とても耐えられない状態っていいましょうか、全くこの腕を伸ばしたりすることができなくなるぐらいの痛みが出てしまったので、これ以上やるとますますひどくなる、血管がダメージを受けてしまうということで、「FEC療法は4クールで終わりにして、薬を換えましょう」ということでタキソール療法を4クールやって計8クールというふうな化学療法、抗がん剤の治療をすることになったんですね。
*FECとは抗がん剤の多剤併用療法で、5-FUの一般名フルオロウラシル(F)とファルモルビシンの一般名塩酸エピルビシン(E)とエンドキサンの一般名シクロホスファミド(C)の頭文字をとった略称です。
インタビュー09
- 自分で異常を感じたらすぐに受診した方がよいと思う
- 右乳房のしこりは針生検、画像上で見つかった左乳房の石灰化は小さいのでマンモトーム生検が行われた
- 生検で痛みはないですと言われたが、痛くて麻酔を追加してもらったり、終わった後痛み止めを飲んだりした
- 検査結果が出るまでに時間がかかり、待っている間は非常に不安が強かった
- 抗がん剤のように短期間なら副作用も我慢できるが、日常生活に影響のある副作用が長期に続くようであれば、ホルモン療法をどうするか考えると思う
- インターネットなどから情報を得て、提示された治療で間違いないと確信が得られたので、セカンド・オピニオンは選ばなかった
- 術後7ヶ月経って傷そのものの痛みはないが、乳房自体には触ると痛い場所が残っている
- 乳房は残せたが、スポーツが一番の趣味なので、リンパ節を取って運動機能に障害が出たことがとてもつらかった
- リンパ節郭清をしたところは熱感があり、そちらの脇の下で測った場合とそうでない場合で体温に1度くらいの差がある
- 抗がん剤の副作用と知らず、はじめは異常だと思わなかったが、点滴中に腕が突っ張るような気がして看護師に言ったら、血管痛ということだった
- 自分で生計を立てている人は、治療している間仕事が十分できないので、1年くらいは生活費もカバーできるような保険に入るか、その分を貯金しておく必要がある
- 会社の代表である自分が休むことで、会社の売り上げが半減してしまうため、事務所を撤収して経費を節約し、会社の維持のための資金調達をして治療に臨んだ
- 女性特有のがんだったことが周りに伝えにくい理由だった。ブログを通して周りの人に知ってもらうようにしたが、最初から誰にでも乳がんのことを話せなかった