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診断時:51歳
インタビュー時:53歳(2008年6月)
首都圏在住。2006年夏に左乳房温存術+リンパ節郭清術を受けた。術後、薬のアレルギー反応が起きて、1ヶ月間入院。その後、放射線治療を受ける。現在は、ホルモン療法による肝機能低下があり、肝臓の治療を続けながら、ホルモン療法を継続。成人した息子と2人暮らし。派遣社員で現在は無職。
語りの内容
傷口というか、あの、がんを取ったところの胸自体が、なぜか、拘縮(こうしゅく=傷が癒える過程で皮膚や皮下組織などがひきつれてしまった状態)してしまっていて。で、それは最初の病院のときの検診で、「何かくっついちゃっているんですけど、どうなんですか?」って伺ったら、「どうしちゃったんだろうね」って、お医者さまがおっしゃった(笑)。どうしちゃったんだろうねって、私は知らない素人なのよ、と思いましたけれど、何かそのドクターは「どうしてこんなになっちゃったんだろうね」って、私に聞くんですよね。「ええー?」みたいな。
で、あの、転院したところの先生に、「そう言われたんですけど、どうなんですか?」って言ったら、「いや、何、えー? それだけしか説明してくれないの?」みたいに、「は、はい」みたいな感じで。で、まあ最初の先生は、「もう1年ぐらいたったら、はがしゃいいんだから」って言われて。はがす?(笑) 「へえ?」みたいな、癒着をはがす、うん。「あの、再建とかそういうことですか」って、「乳房再建のことですか」って言ったら、「いや、そうじゃなくて、うちの形成外科に来て、もうチッとはがせばいいだけだから、すぐだよ。1日で帰れるよ」って言われて、「入院しなくて大丈夫だよ」と言われて。ああ、そうなのと思ったんですけど。
でも、何か最近聞いたら違うみたいで、形成外科ではがして。「でも、はがしたとしても、中身がないから、中身に何か入れないと駄目ですよ」と言われたんですよ。「結局、再建しないと駄目ですよ」ということらしいんですね。だから、何かそういうことからして、全部説明がされてなくて。えー、そう、でも、何でかは分からないですけどね。何でこう、拘縮しちゃって、胸がひきつれちゃったままなんですよね。今でもね。
傷、傷じゃないんですよね。あの…乳房がこうあって、その下のほうにがんがあって。で、がんは取ったのは、切り口は乳首のところを、回りを切って、中から出しているんですね。中身がなくなっちゃったから、このクシュッて、空気がなくなっちゃったみたいな感じですね、袋の空気がなくなっちゃったら、ピチャッとくっついちゃうみたいな、そんなイメージ、で、くっついちゃったんですね。はい。
インタビュー15
- どうしてもダメなら主治医を変えるという選択もあると思う(音声のみ)
- がんを取った部分が引きつれて、クシュッと空気が抜けてくっついてしまったような状態になっている(音声のみ)
- 術後に傷のひきつれを治そうとしてマッサージを受けていたら腕が上がらなくなり、インターネットで調べて「モンドール病」(※)だとわかった(音声のみ)
- 手を握ったときにぼーっとした感じがあって受診し、リンパシンチ(※)を受けてリンパ浮腫とわかった (音声のみ)
- 肝機能検査の値が悪くなったが、再発が不安で肝臓の注射をしながら、ホルモン治療を続けている (音声のみ)
- ホルモン療法の副作用で肝機能の数値が悪くなったので、肝臓にいいというマリアアザミという植物のサプリメントを飲み始めた (音声のみ)
- 派遣先から辞めないでほしいと言われ、手術を1ヶ月半延ばして仕事の段取りをしたにもかかわらず、復帰するとき降格を持ち出されて結局辞めることになった(音声のみ)
- 母子2人暮らしだが、20代の息子は男なので、乳がんになった気持ちをわかってもらうのは難しく、心細かった(音声のみ)