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診断時:48歳
インタビュー時:51歳(2009年3月)
首都圏在住。2005年6月に左乳がんと診断され、8月に皮膚温存乳房切除術、リンパ節郭清、広背筋皮弁による同時乳房再建術を受けた。乳がんと分かって、手術は同時再建と決めて、病院を転院した。術後抗がん剤治療後、ホルモン療法を開始。1年後に乳頭形成術を受けた。 夫と2人暮らし。フルタイムで仕事をしていたが、術後3年半ほどで退職した。
語りの内容
個室の費用を抜いた純粋なその手術の費用って、多分20数万円ぐらいじゃなかったかなと思います。で、そうすると、あの、普通の、ただのその全摘の手術、大体2~3時間ぐらいで終わるらしいんですが、その手術と比べるとあんまり金額変わらずに9時間の、あの、同時再建、9時間かかりましたけれど、人件費も相当かかっているだろうなと思うんですが。それも、含めても、全摘の手術と同時再建含めた手術と金額はほとんど変わらないんじゃないかなという気がしています。
自己組織、自分の体の組織を取っての手術だと、保険が利くので、そんなに費用はかからなくて済みます(*)。それから、そのあとに受けた、えー、乳頭形成術も、外来手術も可能だって言われたんですが、その手術したあとに、混んだ電車に乗って、家に帰ったり、また通ったりっていうの嫌だったので、確か5日間位入院、泊めてもらったという感じでだったんですが。で、その手術のときで、それも保険適応でした。あの、自分の皮膚組織の中で、やりくりして、乳頭形成したので、それも保険適応で5日間ぐらいで、いくらぐらいだったかな、10万ぐらいだったかな。でも、保険の範囲で、あの、手術できました。
ただ、私の場合、保険が利かなかったのは色をつける。乳頭乳輪で色をつける入れ墨、それは、あの、保険きかないので自費でやりました。で、そのときに、個人輸入した、えーと、染料、色とそれから針が3万円ぐらいだったかな。確か3万円ぐらい、あの、ドルだてだったんですけど3万円ぐらいの金額の、でした。それに、そのとき、その入れ墨の手術自体は、保険適応きかないので自費になります。で、それが、1回、1万5千円ぐらいだったかな。で、それを2回やりましたので間をあけて。それなので、えーと、その個人輸入した染料と針が3万円に、1万5千円の手術費が2回分で3万円、6万円ぐらいは自由診療のような形で、あの、支払ったんですけれど。そんなものですね。
*2013年7月より自己組織を使った場合に限らず、シリコン製のインプラントを入れる二期的再建手術の場合でも健康保険が利くようになりました。ただし保険適用対象となるには、認定医療機関であることやインプラント等の種類に制限があります。
インタビュー47
- 母親が乳がんだったので、40歳になる前から検診を受けていたが、結局ソーセージのような塊りに自分で気づいた。検診10ヶ月後だった(音声のみ)
- 検診を受けてはいたが、人任せだったと思う。検診は重要だが、それで安心せず、自分で触って調べたり、おかしいと思ったら相談するなどしてほしい(音声のみ)
- 胸を失いたくない一心で、ラジオ波や超音波でがんを焼き切る方法などを調べたが、まだ実験段階であり、お金もかかるので、やはり手術しかないということだった(音声のみ)
- 中心部の浅い部分にできていたので、くり抜くとどうしても形は崩れてしまう。それなら手術と同時に再建する方法を取りたいと思い、病院を紹介してもらった(音声のみ)
- 再建には人工物でなくて自分の組織を使いたかった。ヘルニアのリスクや腹筋が一部なくなること、背中の方が傷が見えにくい等の理由で背中の組織を使うことにした(音声のみ)
- 広背筋皮弁法で同時再建したので、手術時間は9時間かかった。乳頭、乳輪はなかったが、上から見た左胸の感じは前とそんなに変わらなかった(音声のみ)
- 広背筋皮弁法による再建術のあと、ウエスト辺りに痺れるような違和感を感じた。最初は椅子に座れず、腰回りの筋肉をいろいろ使っていることに改めて気づいた(音声のみ)
- 同時再建術の1年後に乳頭形成術を受けた。いろいろな選択肢がある中、これ以上、別の場所を傷つけて痛いのが嫌で、今ある皮膚を縫い縮めて乳頭を作った(音声のみ)
- 乳頭形成術を受けて、3ヶ月してから、入れ墨で乳頭・乳輪に色を付けた。個人輸入の形で染料と針をアメリカから取り寄せた(音声のみ)
- 広背筋皮弁法で再建した。触ると腰の後ろ側が少しえぐれているような気がする。多少、体の左右のバランスが悪かったり、背中の傷がひきつれた感じもある(音声のみ)
- 広背筋皮弁法による同時再建術と乳頭・乳輪形成術を受けた。乳頭・乳輪に色を入れる染料と針、入れ墨を入れる手術代金以外のすべてに健康保険が利いた(音声のみ)
- タキソテールで手足の指やかかとが赤く腫れあがって、触るとぴりっと痛いのが1-2日続き、そのうち白くなり、因幡の白ウサギのように皮が剥けた(音声のみ)
- 職場の上司に病気を伝えると、戦力にならないと言われてしまった。職場異動となり、人間関係に悩んでうつ状態となって、結局退職することにした(音声のみ)