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インタビュ一時:55 歳(2017 年2月)女性
疼痛期間:24 年以上
診断名:オーバーラップ症候群*(全身性強皮症、シェーグレン症候群)。
近畿地方在住の女性。29 歳から全身の痛みがあり、大手の臨床検査専門会社で 14 年間(2年間は休職)働いていたが、腰椎圧迫骨折を機に40歳で退職した。ステロイド治療を受けるが効果はなく、現在も痛みは続いている。認知症の実母と二人で、在宅支援を受け生活している。病老介護で経済的に不安定な状況である。絵本や詩集を楽しみ、人との交流を持つなど、ポジティプに過ごすことで、痛みを受け入れている。
*オーバーラップ症候群:複数の膠原病が重複して発症する状態
語りの内容
―― 周囲の方との関係には何か影響があったことというのはございますか。お友達。
そうです。旅行に一緒に行ってくれる人がいなくなった。だから、何が起きるかわからないから一緒に旅行に行くのはちょっとっていう感じで、旅行に行ってもらえない。…ですが、どうしても沖縄へ行きたかったので、沖縄へ行きたいっていうふうに言ったら、一緒に行ってもいいと言ってくれる方がいて、その人と沖縄旅行へは2泊3日で行きました。でも、その方は、やっぱり家族の方に、その病気の人を連れていく、その病気も普通の病気じゃなく難病で、それでどういう状態かもわからない、で、障害者であるっていうのですごい反対を受けられたそうですけども、私をどうしても連れていってあげたい、喜ぶ姿を見てあげたいというので連れていってもらいました。
それと、もう1人違う友達は、私の生き方があの、私の――その人の生き方の糧になるからっていうので。やっぱりいろんなものを、必需品、例えばトイレットペーパーとかお米とか持ってきてくれたりとかするんですけども、それのお礼をしたいからって言うと、「私の生き方で、いい」っていうふうに言ってくれる友達がいて、それはすごくうれしいなというふうに思います。
インタビュー39
- 痛みが続いていることについては受け入れるしかない。神様、仏様が痛みに耐えられる人間だと思ったから与えられた試練だと思うしかない(音声のみ)
- 冷えないように温かい恰好をするようにしている。医師も服装を細かく見て注意してくれる
- 「痛い」と常に言っているのではなく、「痛い」と言うのを休憩させて、小さなことでも楽しいことに挑戦してみることで、痛みを少しずつ減らす方法を自分で見つけていく
- 放送大学の講義を参考にして、脳の中の痛みを感じる箇所が働かないように、自分でも音楽を聞くなどして、脳の違うところを活動させるようにしようと考えた
- そのときの気分にあわせた音楽に集中していると痛みも和らぎ、痛くても眠ることができる
- 見た目は普通だが怠けているのではなく本当に動けない。理解してもらうには、自分に乗り移って感じてもらうしか、わからないような関節の痛み、筋肉のだるさがある
- 圧迫骨折で動けなくなったことの証明として治療で使用したステロイドの量を全部チェックし2回目の申請で障害年金をもらうことができた
- 痛みのために休職・復職を繰り返した後、しっかり2年間休んだ。復職するつもりだったが会社からもう雇い続けることはできないと告げられ退職となった
- 周囲の人から反対されても痛みがある自分との旅行につきあってくれた人や、その人の生き方の糧として自分を手助けしてくれる人がいる