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インタビュー時:36歳(2015年3月)
疼痛期間:6年
診断名:慢性難治性疼痛
東海地方在住の女性。2度の交通事故後(2009年、2012年)、腰痛や首の痛みが慢性化した。事故後の保険会社の対応に非常に傷ついた体験がある。2014年8月よりモルヒネを開始し、現在、ある程度、痛みはコントロールできている。さらに2009年に乳がんと診断され、現在ホルモン療法を継続中である。痛みと乳がんを抱えながらも新たな趣味に挑戦するなど自分なりに対処し痛みに支配されないようにしている。
語りの内容
交通事故に遭う前は、まあ、そうですね、まあ痛みとかそういうのも全くなかったので、まず病院に通うっていうことが、まあほとんどなく、えー、来て。まあ仕事も、まあ、もともとフルタイムではなかったんですけど、休むことなく行ってましたし。土日なり、まあ平日の夕方なりは、まあその友達と遊んだり、まあそういうこともできてたんですけど、その交通事故に遭ったことによってまず通院っていう大きな、今までになかった出来事が加わって、その、うーん…。まあ痛みがあるから頻繁に病院に行ったり、まあ検査なり、リハビリをしたり、で、日曜――土曜日も病院に行ったりっていうのがすごく、その痛みが出てくる前とは違う出来事だったと思います。
―― いわゆる交友関係とか社会的な、生活に関しては何か影響は及んでいますか。先ほどあまり、夕方に、夜とか、あの、遊びに出かけたりできなくなってとはおっしゃったんですけど。
そうですね。まあ、できなくなったというか、しなくなったというか。まあその、自分の中でもこう…、痛いのを我慢して動き回ってて、それを引きずる、その後の日とかに引きずるぐらいなら、まあ、無理にしなくてもいいかなって思うようになって。うーん。でも、別にその、友達が減ったとかそういうのはなく、逆にその、今までなかなか時間が取れなかった、じゃあ、家に帰ってきたら読書しようとか、そういう時間が持てるようになったし。きつきつに予定を入れなくなったことで、逆にその週末をゆったり楽しめたりとかするようになったので、そんなにその悪い影響は出てないとは思います。
インタビュー08
- 最初の頃は年数が経てば痛みがなくなっていくと思っていたが、今では痛みのない日はなかなか来ないことはわかっているので、痛みに支配されないよう他のことに集中したい
- 土日も病院やリハビリに行くことがあり、友人との時間をとることが難しくなったが、 無理に友人につきあうより、ゆったり1人で週末を楽しむようになった
- 痛み止めを使いながら体を動かすようにし、新しく始めた山登りの趣味に没頭している
- 事故後の保険会社の人とのやりとりで精神的に追い詰められた。痛み止めや鍼灸などにかかるお金は慰謝料では足りない
- だんだんトラムセットが効かなくなったので、モルヒネを使い始め、量が増えて飲むのが大変になったので、今はフェントステープを貼っている
- 講演会で医療用麻薬は適切な使い方をすれば中毒にはならないと聞いていたので、モルヒネもすんなりと試すことができたが、将来の出産にどのような影響があるのかが不安だ
- 事故後、いろいろな検査を受けたが原因はわからなかった。「慢性難治性疼痛」というような診断名があるが、つけようがないのだと思う。それでも病名があった方がいい
- ペインクリニックでは痛み以外にも目を向けて話を聞いてくれたし、理学療法士さんも痛みがあってもうまく日常生活を送れるようにすることに重点を置いていたので助かった