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インタビュー時:46歳(2015年8月)
関係:慢性の痛みを持つ76歳女性(本人インタビューなし)の娘
関東地方在住。大学講師。母親が2004年から外陰部に膀胱炎のような痛みを訴えるようになった。徐々に痛みが強くなり、日常生活に支障が出る状況になった。泌尿器科を受診しても原因が分からず、間質性膀胱炎の疑いで先端治療も試したが全く効果がなかった。2010年、精神科の薬剤を内服してから、昼間も寝てしまうような生活が続いたため、薬剤が強すぎると医師に伝え、2011年より薬剤を中止。その後、痛みの訴えはなくなったが、認知症を発症していることが分かった。
語りの内容
で、薬をすごくたくさん飲んでおりますので、ちょっと私、心配になりまして、(知り合いの薬剤師に)「実は母が、ずっと3種類の薬を飲んでいるんだけれど、薬が強すぎるということはないだろうか」と質問しました。というのはもう2010年に入ったぐらいから、母、非常にこう…こう何でしょう、寝ることが、要は昼間も寝ることが多くなってきまして。それがひどくなったのは本当に2010年に入ったころなのですけれど、以前、母が「痛くて寝られない、寝られない」と言っていたのですが、逆に昼間でも寝るようになってしまって。それが、私の素人感覚で薬なのかなと思って。で、「母がこのレンドルミンと、えーと、マイスリーともう1つの痛み止めを飲んでいるんだけれど、これはどういう薬なんだろう」。私もインターネットで見たけれど、うーん、なんか私が知らないところで実は強い薬なのかなと思って(聞いたところ)、「実はその3つの薬はどれも、比較的、安全な薬だ」と。もちろん認可されている薬ですのでね、「そんな心配するような薬ではないよ」ということは言っていました。ただ、まあ今ふり返りますとね、あの、3つの薬をずっと飲んでいるということは、母には、まあ正直強すぎたんだと思います。
で、母に関して言えば、まあ、あまりにも寝てばかりですので、ちょっともうこれは私自身も、もう我慢できないということになりまして。その2009年ごろからお世話になっていた、その地元の総合病院の先生に私が母を連れて一緒に行きました。で、もう正直に、「もうこれはあまりにも薬が強いのではありませんか」と、もう素人ながらにですね、「薬やめさせていただけないんでしょうか」と、かなり私のほうから強く、あの、先生に申し上げました。で、ちょっと先生も、ちょっと私の言葉があまりに強かったということもあって、「そうですか」と、「では、やめてみましょう」ということになって、で、薬をその2011年3月からちょっとやめることになりました。で、えーと、薬をやめて経過観察だけしましょうということになりました。
で、えーと、薬をやめたことによって実は、あの…、その、もう何でしょう、1日中寝てばかりという状況は解消されつつ、解消され、少しまともになったのかなと思います。で、で、あの、皮肉なことにですね、こう寝てばかりですので、もう薬が強すぎて、あの、痛みを感じなくなったようなんですね。で、その2011年3月の時点で私は母に、あの、「痛みはどう?」って聞いたところ、あまりこう痛みのことを言わなくなっていることに気がつきました。
家族インタビュー03
- 母が痛みを訴え始めた頃、自分は国内にいなかったが、一時帰国した時に台所に椅子が置いてあるのを見て「いよいよ痛みがひどくなったんだな」と思った
- 認知症になった父は、痛みのために寝ている母をひどく叱責するようになった。母にしてあげられたことで一番よかったのは、父がデイケアに通うきっかけを作ったことだった
- 3種類の薬を処方されていた母が昼間も寝てしまうようになったので、母とかかりつけの総合病院に行き、薬が強すぎるようなのでやめさせてほしいと伝え、経過観察となった
- 母は睡眠導入剤がないと寝られないと言い、必要以上に飲むこともあったが、ワインを飲んで寝るといいと親戚に聞いたのをきっかけに、薬を飲まなくても寝られるようになった
- 母のために自分にできることがないと空しく感じていたが、いとこが移動式のいすを買ってくれたり、おじが車で旅行に連れていってくれたりして、精神的な重圧が軽減された
- ひどい痛みに苦しむ母を心配した妹がハンドパワーの祈祷師のもとに連れていったと聞きショックを受けた。3-4回通ったが効き目はなかった