※写真をクリックすると、動画の再生が始まります。

インタビュー時:72歳(2016年4月)
疼痛期間:3年半
診断名:開胸術後疼痛症候群

首都圏在住の女性。娘と息子は自立しており、1人暮らし。2012年秋、心臓弁膜症で開胸手術を受けたが、術後,縦隔洞炎を合併した。再開胸し,膿を出し、一週間後に傷を閉じた。以後、胸に鉛が入ったような硬くて重たい痛みが続いている。2年たって知人の紹介でペインクリニック科を受診し内服薬や神経ブロック、レーザー療法を試したが、効果なかった。今も痛みが続いているが,痛みに対する治療はせず,睡眠薬だけもらっている。生活を工夫し積極的に気分転換しながら日々を過ごしている。※急性縦隔洞炎:縦隔(じゅうかく)とは、胸部の左右肺と胸椎、胸骨に囲まれた部分を指します。急性縦隔洞炎は心臓や大血管などの手術後の合併症の一つです。

語りの内容

麻酔から目が覚めたときに、やっぱし痛みがそこで初めてわかったんですよね。それまでは麻酔で、あの、意識がなかったから。それで、ずっとそのときはもう胸が痛くて、自分がどういう手術されたかっていうのも全然わかんなくて、後からだんだん説明聞いてきて、それからその後、退院してからも娘から、こういう状態だったとか、ああいう状態だったとかって話を聞いて、先生からもお聞きしたんですけれど。やっぱり、あの、体の中にメスを入れるというのはこういうことかっていうのがすごくわかったんですね。

で、3年半ぐらい前の11月に退院したんですけれど。そのICUから出てからも、ずっと痛くて、ずっと胸が痛くて、背中も痛くて、でもこんなもんかなと思って。手術が終われば、あの、とにかく退院すれば治ると思ったんですけれど、退院しても本当に治らなくて。あの、どんな話をしたらいいのかな。えっと、とにかく私の考えでは、もう手術が終われば心臓も良くなる。それから、ね、あの、いろんなケロイドなんかも、あの、消える――消えるっていうか、ある程度良くなる。というか、痛みがなくなる。それから普通の状態に戻れるって、ずっと思ってたんですけれど、全然そうじゃなくて。あの、1カ月検診で行っても、しょっちゅう行っても、いつも先生にどうですかって言われても、「先生、痛いんですよ」っていつも言ってたんですけど、でも先生も、「どうしてなんでしょうかね」っておっしゃるし。それから、「こういう病気は滅多にないから、症例がないし、それから治った症例もない」って、先生、おっしゃるし。あちこちの病院なんかも機会があれば行ってたんですけれど、それからあの、ペイン科も。

ペイン科も行って、あの、診てもらったんですけど、ペイン科に行ったときはもう2年たってたときだから、もう痛みが固定しちゃってるので、神経ブロック注射も効かないと言われ、あの、うつ病とかてんかんの薬とかも先生から処方されたんですけれど、それもちょっと合わなかったし、あんまり薬も飲みたくなかったので、飲まないできて。で、あの、なんかレーザーの照射、当てるのもやったんですけれど、3カ月通ったけど、やっぱり全然効かなくて。で、本当もう今に至ってます。

私は: です。

(アンケート結果の扱いについては個人情報の取り扱いについてをご覧ください。)

認定 NPO 法人「健康と病いの語りディペックス・ジャパン」では、一緒に活動をしてくださる方
寄付という形で活動をご支援くださる方を常時大募集しています。

ご支援
ご協力ください

モジュール一覧