インタビュー時:45歳(2016年10月)
疼痛期間:3年
診断名:複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome:CRPS)
北海道在住の女性。夫と二人暮らし。2013年1月、雪道で転倒してねん挫したのをきっかけに、左足首くるぶし付近が痛むようになった。2014年に硬膜外ブロック治療を受け灼熱痛はすべて消えた。現在は荷重をかけなければ痛みはない。外出の際は膝から下に装具をつけて杖を使用するが、自宅ではそれらを使わずに移動できる。自らリハビリに関する書籍を読み、認知神経リハビリテーションを医師に提案し、効果を実感している。
プロフィール詳細
三村さん(仮名)は現在、北海道で夫と二人で暮らしている。2013年1月 雪道で転倒し、ねん挫したのをきっかけに、左足首くるぶし付近(三角靭帯)の痛みが続いているが、現在は負傷した直後にくらべて半分になった。荷重をかけなければ痛みはない。外出の際は膝から下に補助器具(短下肢免荷装具)をつけ、さらに杖を使用しているが、自宅室内ではそれらを使わずに移動できる。
最初に受診した整形外科では、湿布薬のみ処方された。その後別の個人のクリニックで受診したところ、歩き方の異常に気付いた医師が再度レントゲン検査をしてくれたおかげで、診断名が付いた。硬膜外神経ブロック(※)で、焼けるような痛みは消えた。現在は、運動療法と認知神経リハビリテーションを受けてよくなっている。認知神経リハビリテーションとはいわゆる「脳トレ」のようなもので、ねん挫は治っているのに脳がそれを認識せず、誤作動をしているのでそれを修正するための治療。それと並行し、大学病院で鍼治療と漢方薬の処方を受けている。
患者さんと医師が共著で出版されたCRPSに関する本を読んで、患者の視点から治療の理解を深めることができた。通院している個人クリニックには患者の様々な疑問に答えてくれる医師がおり、本に書かれているリハビリのプログラムを提案したところ、了解してくれて、その治療を受けている。インターネットの情報は、愚痴や不平不満ばかりで、自分の治療の参考にならないと思っているので、書籍を参考にしている。
自分自身は医学の知識や情報が多くないので、医師に判断を委ねることもあるが、大学病院の医師、クリニックの医師と理学療法士の3者の視点を自分で集約して、一つの結論に導くのが良いと思っている。医療者任せにしていると、それがうまくいかない場合は、相手のせいに出来る利点はあるがフェアではないと思う。治療法について自ら提案するなど、患者は治療を待っているだけではだめだと考えている。
夫は自分の痛みに対しては全然動じない。怪我をする前から家事などは協力的だったので、現在も負担はお互いに変わらないと自分は思っている。医療費の自己負担はほとんどなく、労災の範囲で対応できているが、冬場の雪道ではタクシーを使うので交通費の負担は多少ある。デスクワークによる仕事を継続できている。
最初に受診した整形外科では、湿布薬のみ処方された。その後別の個人のクリニックで受診したところ、歩き方の異常に気付いた医師が再度レントゲン検査をしてくれたおかげで、診断名が付いた。硬膜外神経ブロック(※)で、焼けるような痛みは消えた。現在は、運動療法と認知神経リハビリテーションを受けてよくなっている。認知神経リハビリテーションとはいわゆる「脳トレ」のようなもので、ねん挫は治っているのに脳がそれを認識せず、誤作動をしているのでそれを修正するための治療。それと並行し、大学病院で鍼治療と漢方薬の処方を受けている。
患者さんと医師が共著で出版されたCRPSに関する本を読んで、患者の視点から治療の理解を深めることができた。通院している個人クリニックには患者の様々な疑問に答えてくれる医師がおり、本に書かれているリハビリのプログラムを提案したところ、了解してくれて、その治療を受けている。インターネットの情報は、愚痴や不平不満ばかりで、自分の治療の参考にならないと思っているので、書籍を参考にしている。
自分自身は医学の知識や情報が多くないので、医師に判断を委ねることもあるが、大学病院の医師、クリニックの医師と理学療法士の3者の視点を自分で集約して、一つの結論に導くのが良いと思っている。医療者任せにしていると、それがうまくいかない場合は、相手のせいに出来る利点はあるがフェアではないと思う。治療法について自ら提案するなど、患者は治療を待っているだけではだめだと考えている。
夫は自分の痛みに対しては全然動じない。怪我をする前から家事などは協力的だったので、現在も負担はお互いに変わらないと自分は思っている。医療費の自己負担はほとんどなく、労災の範囲で対応できているが、冬場の雪道ではタクシーを使うので交通費の負担は多少ある。デスクワークによる仕事を継続できている。
※ 硬膜外神経ブロックとは、背骨の中で脊髄を守っている硬膜の外側の隙間に針を刺して、局所麻酔薬を入れることで(神経根に麻酔がかかり、痛みの感覚を脳に伝達する神経の動きを一時的に遮断し痛みを抑えます)また、収縮している血管を緩め、血流を良くすることで慢性の痛みを和らげると考えられている治療です。
インタビュー32
- 背中に針を入れて3週間薬を投与し続ける持続硬膜外ブロックでCRPSの痛みが半減したが、その後は良くも悪くもならず、今も月2回神経ブロックを受けている(音声のみ)
- 診断がつくまではどうして捻挫が治らないのかずっと不思議だったが、CRPSという病名がついて納得がいった。痛みが広がっていないのはいい兆候なのだろう(音声のみ)
- 運動療法と認知神経リハビリテーションを受けている。正常な感覚を持つ右足と左足の比較をして脳の誤作動を修正する。週に1~2回受け、効果を実感している(音声のみ)
- CRPSに特化した本を3冊読み、中でも参考になった本をリハビリの先生にも読んでもらって、それに沿ったメニューを組んでもらった(音声のみ)