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インタビュー時:65歳(2014年12月)
疼痛期間:23年
診断名:腰椎椎間板ヘルニア(術後腰椎癒着性クモ膜炎)および右下肢末梢神経症。
北海道在住の女性。椎間板ヘルニアの手術後3年目に突然両足に激痛が出て歩けなくなった。各種のブロック治療を受けたが効果がなく、14年前から医師と相談・調整しながら塩酸モルヒネを使い始め、5~6年ぐらい前より日常生活を何とか送れる状態を維持している。患者会では痛みを仲間と分かち合うことができ、上手に時間を使って楽しむことを学ぶことができた。
語りの内容
あ、もう最初はね、あの、治らないなんて思ってないから、治るんだっていう気持ちでいたから、鍼(はり)もやったし、もちろん整体もやったし、うーんと、鍼灸(しんきゅう)もやったし。それからアロマ何とかもやったし。それから、うんと……、テーピングみたいな何かあるんですよね。うん、そういうのもやったし。…もうほとんどやったんじゃないかなというくらい、やりましたけど。結局ね、やっても何日もしないうちに痛みは、すぐ、わーっと出てくるんですよね。やってもやっても出てくるんです。まあやってる最中はちょっと楽なんですけど、終わってしまえばまた痛いんですよね。だから…、ああ、だめなんだなと思って。骨盤矯正みたいなのもあるんですよね。それをやったんですよね(笑)。もうお金はすごくかかりますよね。もうほとんど毎日かかってたときもあったから、毎日、3,000円ずつ鍼灸で持っていかれたりとか。だから、月…、そう…、月に何万円もかかって。で、そのほかに病院代もあったから、もう5、6万以上かかってたかもしれない。
それで、少しでも体力付けようと思って、あの……、何とかドリンクとかね、そういうのも。エゾウコギとか、それから、うーんと、高麗人参だとか、もうそういうのも。そういうのだって万単位なんですよね。みんな試してみました。うん。でも、変わらないっていうことがわかって、全部やめました。
…やっぱりたまに苦しくて、こうちょっと揉んでもらいたいな、軽い――軽いじゃない、マッサージだけでもしてもらいたいなと思って行くんですけれども、やっぱりマッサージの先生は、「マッサージじゃだめだから」って言って、やっぱり鍼灸を勧めるんですよね。…効果があるんでしょうね、先生たちからしてみたら。でも、鍼灸はあんまりやっぱり、ずっとやったけど、やっぱり、うーん…、私としてあんまり良くないので、マッサージだけしてほしいんですけど、……あんまりしてくれないんですよね、どの先生もね。で、「もうとっても、状態が良くないから、毎日通ってください」って必ず言われるし。で、毎日通えばマッサージだってすごい金額になりますよね。で、それもできないし。で、あんまり変わらないんだったら。で、マッサージの先生も言うんです、「直すことはできない」って。「できないし、良くすることもできないから、それでも良かったらマッサージしますよ」っていう感じなので、行くのやめたんですよね、やっぱり。
インタビュー07
- 最初の2年くらいはただ恨み節で泣いていたが、これが私の普通の日常生活と思うようになって、痛みも全部ひっくるめて、今の私があるんだと思えるようになった
- 硬膜外、仙骨、くも膜下、神経根と様々なブロック療法を試したが、入院が必要なものもあるのでそんなにはできないし、効かなくなってきたのでモルヒネを増やしてもらった
- 主治医に「普通の生活がしたい」といったら「もうモルヒネしかない」と言われた。アヘン患者のイメージがあって踏み切れなかったが、痛みには勝てず飲み始めたら楽になった
- モルヒネに対する医療者の考え方が異なり、処方してくれていた医師がいなくなると診察を拒否されたり、強引に減薬されたりして、普通の生活ができなくなってしまった
- 病名がわからず、医者を転々として、時に断られたり、精神的なものではないかと言われたりした頃が一番辛かった。「間違いなく腰が悪い」と言われ、涙が出そうになった
- 手術をした病院では「病名がわからないから診断書を書けない」と言われ診察を拒否され、よそにいっても「医者を転々とするな」「精神的なもの」と言われすごく不安だった
- 自分は治るんだという気持ちで、鍼灸、整体、アロマ、骨盤矯正、健康ドリンクなど、いいといわれることはほとんどやり尽くしたが、お金がかかっただけで状況は変わらなかった