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インタビュー時:57歳(2016年10月)
疼痛期間:12年
診断名:胸椎・頚椎・腰椎後縦靱帯骨化症
北海道在住の女性。夫と2人暮らし。40代半ばに強烈な腰痛が出るようになり、検査の結果、後縦靱帯骨化症の診断を受けた。腰椎の手術を4回受けた。現在も常に腰から両足にかけて、足の指先の痛みがあるが、鎮痛剤は効果がないため飲んでいない。患者会の運営に携わったことや、難病患者団体で相談活動に参加したことが、自分の生き方を変えることにつながった。さらに行政や国へ当事者として、障害者政策などの要望を伝えていく役割を見出だした。
語りの内容
えーとね、病名がわかるまではお金使いました。よくテレビで、コマーシャルでやっているあれ。えー、痛散湯とかなんかはもうかなり、ああいう系統はいっぱい買いました。これを飲んだら治るっていうふうに書いてあって、うん、病名がわかって(も)手術前は、かなりそれは使いました。
―― 全体でこう幾らぐらいお使いになったか、もし支障がなければ。
いやー、もう、あれ1つ1万とかね、1万5,000円とかするのを、まず最低でも3カ月間飲んでくださいとか言われたときには、もうそこで5万ぐらいですよね。そのほかにも何かいろんな人がいろんなものを、病院で診断されてないから、これを飲んだら治るとかっていうのがあったじゃないですか。いや、だから、何十万。まあ百万ぐらいは行ってないけどね。うん。
これを飲んだら、ね、少し楽になるとかって言ってて。えー、治らない病気イコールね、難病ということは、わから、わからない世界だったので、これを飲んだらね、良くなると。何度も電話しましたよ。あの、オペレーターのほうにね。「まだ、まだ効かないんですよ。まだ効かないんですよ」、ちょっと(笑)、「もうちょっとお飲みください、もうちょっとお飲みください」って言って、真面目に飲んでた時期。そのほかにプラスして、えー、なんか何万もするね、これもいいよ、あれもいいよと言われるものを飲んで。うん……。
だけど、あるときにはね、もう、それも良くならないし、えー、もう歩けなくなってきたし、ただ、もうこんなもの、こんなものを飲んでもというのと、お金続かないですよね。もう私、仕事してないし。問題はお金とね…、うん。お金と、なんか何か少し徴候でもあるんだったら…。なかったです。
インタビュー33
- 発症してしばらくは何かするたびに「痛い」と口にしていたが、最近はあまり言わなくなった。痛みがある自分を否定しない生き方をするよう考えを変えた(音声のみ)
- 痛み止めを飲んでも効かず、副作用が出るだけなので飲んでいない。痛みのため不眠とうつ状態になるため、睡眠導入剤と精神安定剤を飲んでいる
- 医師から夫を呼ぶよう言われ、「難病です、後縦靭帯骨化症です」と伝えられたはずだが、病名を聞いた記憶が今でもない。涙もなかったのは、まだ大変な病気と受け止めてなかった
- 治らない難病だということを理解していなかった頃は、TV通販で売られている漢方薬をはじめ、痛みに効くと言われるものは何でも飲んでいたが、お金が続かなかった