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インタビュー時:69歳(2015年6月)
疼痛期間:15年以上
診断名:腰椎すべり症
首都圏在住の女性。15年ほど前に受けた腰痛の特殊な治療がきっかけとなって、転げ回るような激痛に苦しむようになる。鎮痛剤やブロック注射など様々な治療法を試したが効果は得られず、5年ほど前から腰痛の治療は一切受けていない。痛みは最悪のときから1割ほどしか減っていないが、「年単位で軽減する」という医師の言葉を信じ、痛みをありのままに受け入れて日常生活を送っている。
語りの内容
それで(平成18年に)、えー、まあ、あるところに、えー、痛み専門の病院があるっていうことを聞きまして、そこへ無理くり診察を頼みまして。
――プログラムって、どんなことをなさったんですか。
そこでですわね、えー、全く治療はないんです。で、行きますと、まず、今日はちょっと体を動かしましょうかっていうことで、いわゆる理学療法士の方と、その、卓球を2、30分やる。それからちょっとその、重いリュックサックを背負って、病院が広いんですけども、病院の周りを20分ぐらい歩く。それから階段を上下する。それからあとこう、ちょっと心理テストみたいのを。えー、大体そういうことでした。……あの病院の、まあ、プログラム。
――どのぐらいの頻度で行かれるんです?
そうですね。週に2回ぐらいでした。
――でも、やっぱり効果は?
ないんです。…でも、その激痛の当時は杖ついて歩いてましたから。杖ついて。今は杖なくして歩けるようになりましたし。まあ、年単位でしか良くならないっていうことを先生はおっしゃっておられましたから。まあ普通に…、自分の足でちょっと出かけられて、自分、家族と自分のために体が動けて、それでまあ、いいのかなと、はい、思ってるんですけれども。まあ、でも、頭の、隅、隅で、なくなればいいんだなと思うんですね、いつもね。
インタビュー12
- あまりの痛さに眠れず「もう逝っちゃおうか」と思っていたとき、どうしてわかったのかかかりつけ医に「死んだらだめだからね」と言われ、家族への責任感から踏みとどまった
- 痛みは日常になっていて、痛みから逃げてはだめだと言われている。それはあきらめとも違い、ありのままを受け入れることだ
- 医師に聞いた「痛みを邪魔にしない」「痛みから逃げない」「生き生き」「明るい生活」という4つのモットーを冷蔵庫に貼って自分の目標にしている
- 痛みがなくなったらやりたかったお寺回りに「すぐ行きなさい」と勧められ、痛かったが6回に分けて回ってきた。「痛いから」と逃げずに自分の思いを実践することも必要だ
- ブロック注射は5-6年前に2回くらい、さらに10年くらい前にも数回受けているが、1回も効果はなかったので、今は腰の痛みに対して何も治療をしていない
- 転げまわるような痛みで様々な医療機関を受診したが、ブロック注射も投薬も効果がなかった。今も痛みの自覚がないのは睡眠薬を飲んで寝ているときだけだ
- どこの病院に行っても検査すると、大抵すべり症と言われるが、このくらいのすべり症で、そんなに痛いのか?と言われるので、痛みの本当の原因かどうかわからない
- 様々な医療機関を受診したが薬は効果がなく、痛みの専門病院で運動や認知行動療法を含む3ヶ月のプログラムを受けた。痛みはあるが年単位で杖なしで歩ける程度に回復した
- 両親の教育により自分は非常に我慢強いと思う。友人と会っても暗い顔を見せないように努力している
- 死んだ方が楽と思うぐらいの痛みでも、顔や態度に出さないので「歩いて来れるんだったら来なくてもいい」と言われた。親身になってくれた医師は1割程度に過ぎない