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インタビュー時:22歳(2015年7月)
疼痛期間2年
診断名:複合性局所疼痛症候群( Complex regional pain syndrome:CRPS)。
関西在住の女性。ワインのビンが破裂し,破片が右手に刺さった。皮膚移植の手術後から右手中指、薬指、小指と手のひらに激痛が持続した。内服薬と神経ブロックで治療を受けたが、思うような効果が得られず,今でも火に炙られているような苦痛があり、右手を常に「グー」にして刺激を避けているため、日常生活で右手が使いにくい。現在は大学院で学業を続けている。
語りの内容
今から2年半ぐらい前、え、3年近くかな、前になるんですけれども。えっと、そのとき大学生で友達の誕生日会を企画していて、それでその独り暮らしの友達の家に集まって、5、6人でパーティーをしてたんですね。
その12時に合わせて乾杯しようっていうことで、えっと、ワインを準備していたんですね。で、そのワインの瓶を開けようとしていたんですけれども、なかなか開かなくて。
結果的にそのコルクがポーンと抜けた瞬間に、何か圧力がかかっていたのか何かで瓶が割れたんです。
で、私は右手で瓶を握って、特に、両手でたぶん握っていたと思うんですけど、たぶん右手、右利きなので、右手のほうがたぶん強く握っていたので、右手が切れてしまって。で、えーと、まあそのときにすごい、まあ血が出て、これはヤバイなと思ったんですけど。でも、まあ、咄嗟にこれは自分たちで止血できるレベルではないっていうのに、まあ、もうその場にいたみんなが認識して、すぐに友達が救急車を呼んでくれて…
で、やっと病院が見つかって、えーと、それは市内の近く、比較的近い病院で見つかって、あ、とりあえず止血の処理をしてもらった。…でも、その止血して、じゃあ、そこにいた先生には縫ってもらって帰れるのかなと思ったら、もう全然そんなことはなくて、
お昼の1時ぐらいにはもう手術が始まりました。で、気づいたらもう夜で、結局10時間ぐらいその手術に時間かかっていたみたいで。で、「皮膚を落としていたから、足りないところの皮膚を足から取ってきました」って言われて、いや、まあもちろん気づいたときには右足ももう包帯ぐるぐる状態で動けなかったので、いや、わか、見たらわかるっていうか、もうわかったんですけど。それで右手、右足、右足から皮膚を持ってきて、右手に移植するっていう手術をしました。
で、それがもうその日の夜。ケガをしたのが夜中で、まあその次の日の昼に手術して、まあ結果的にその手術というか、ケガをしてから、ずっと痛みが続いているっていうのが今の状況です。でも、そのときはもう、まあ瓶で切れたし、痛い。手術して、こんなに切ったんだから痛いっていうふうに思って。いや、かなりたぶんそのころ痛かったんですけど、「もう手術なんだから当たり前だ。切ったんだから、まあこれぐらい痛いのは普通のことなんだろうな」っていうふうに思っていて、まあ痛いけど、そのうち傷が治れば治るだろうぐらいに思って、この入院期間中ぐらいと思って頑張って耐えてたんですけれども。でも、かなり、痛かったです。
インタビュー13
- この痛みが一生続くのかと思うとつらい。痛みの範囲が広がったという人の話も聞き、先が見えないのが不安。これからの人生がもったいない結果に終わるのかと考えてしまう
- 右手で重いものを持つことを避けたり、誰かにぶつからないように注意して歩くなど、常に右手をかばいながら生活している
- 授業や外出中に急に刺さるように痛んで家に帰らねばならないこともあるが、そんな時は別な日に行ければいいと思う。一瞬にとらわれてすべてが終わりと思わないようにしている
- 痛みと治療に関して毎日記録をつけて自分の痛みの基準を作ることで、いつも「今が一番痛い」と思いがちなのが、「以前より良くなっている」と実感しやすくなった
- 3年近く前、友人の誕生日パーティーでワインを開けようとして瓶が割れ、右手を怪我して足からの皮膚移植の手術を受けた。怪我をした時からずっと痛みが続いている
- 学校を休まなくてはいけないことが辛かった。同級生が就職活動をしている中で自分は卒業できるのか、将来、働くことができるのかとても不安だった
- 授業中も痛みに耐えて座っているだけという感じで、外出準備も大変に思え、引きこもり気味になってしまった
- 痛む右手に鍼を刺すなんて考えられないと思ったが、ツボは左右対称なので左手の同じところに打てば効くと勧められた。試してみたが効果は感じられなかった