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インタビュー時:47歳(2017年4月)
疼痛期間:約40年
診断名:家族性地中海熱
首都圏在住の女性。夫と二人暮らし。小学校2年生頃から発熱を伴う腹痛、関節痛などが周期的におこり、原因不明のまま経過していた。40代でやっと遺伝子検査の結果、家族性地中海熱と診断される。現在は、家族性地中海熱の治療により痛みをある程度コントロールすることができ、痛みと折り合いをつけながら生活している。
語りの内容
痛みは小学校2年生ぐらいのときからずっと続いています。腹痛と捻挫のような関節痛がずっと続いていて、えー、この病気だってわかる40を過ぎてからまで、ずっと痛みに苦しんできました。子どものころは腹痛だったので、下痢なのか、おなかを壊したのか、ずっと原因不明のまんま過ごしてきました。でも、熱もとても高くて出たので、うーん、そうですね、自律神経失調症と言われたり、起立性調節障害と言われたり、贅沢病と言われたり、子どもながらにして、原因不明ということで随分苦しんだ時期がありました。
で、病気がわかるのは、家族性地中海熱という病気だったんですが、えー、「大人になっても腹痛がずっと続いている。それは発熱を伴った腹痛が続いているのは非常に珍しい」というふうに病院の先生が、たまたま診断してくださったことから遺伝子検査などが始まり、それによって家族性地中海熱ということがわかったんですが、それがわかったのも40を越えてからなので。私の病気について親族とか家族は本当に詐病ではないかとか、あの、精神的なものなのではないかとか、すごくやっぱりうたぐりが多かったので。私自身も病院の先生などに対しても、うたぐりというか、疑心暗鬼なところがすごく強くなってしまって、信じられるお医者さんが少なかった中でそのように判断してもらったのは、すごくうれしいことだと思いました。で、実際に遺伝子検査をやって、家族性地中海熱ということがわかりました。
まあ私としては、一か八かという気持ちだけれども、まあ病気がわかったら本当にうれしいので、という気持ちで(検査を)受けました。そうしたら本当に家族性地中海熱だったということがわかって、本当にこの40何年、原因不明で生きてきた私って何だったんだろうと思って、本当に涙がね、あふれて、あの、なりませんでした。
インタビュー40
- 子どもの頃から頭痛がずっとあるので髪を伸ばしたおしゃれをしたことがないのがなんか寂しい。また体を締め付ける服装は避け、楽な洋服を着て負担がかからないようにしている
- 当初は患者会には参加したくないと思っていたが、自分の病気(家族性地中海熱)は非常に珍しいので、同病の人は同じ苦しみを経験する大事な「戦友」のように思えてきた
- 自分の病気の患者会をネットで知った。チャットでは互いの話したいことが話せるし、自分が外出できないときの情報収集にも役立っている(音声のみ)
- ブロック注射で体がリセットされ、家族性地中海熱の頭痛や関節痛が劇的に楽になった。毎週打てるといいが今は月に1回なので、モルヒネ系の貼り薬を増やして対処している
- 物を作ったり、絵をかいたり一生懸命に集中してできることを見つけて過ごすようにしている
- 東洋医学や精神科での自費診療で膨大にお金がかかり、生まれ育った家を売却するまでにいたり、一時期、親族との関係も悪化した
- 約30年原因不明だったがやっと家族性地中海熱と診断された。難病に指定されて医療費は本当に楽になった
- 小学2年から続いた痛みが家族性地中海熱と診断されたのは40歳を超えてからだった。周りから精神的なものなどと疑われ、原因不明で苦しんできたのは何だったのかと涙が出た
- 痛みと疲れやすさがあったため活発な子どもではなく、一人でいることが多かった。中学・高校では教員から心配されることがひいきととらえられ、いじめられることもあった
- SNSで病気と闘っている姿を見てくれ、ありのままの自分を認め友達としてつきあってくれることがわかってうれしかった