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インタビュー時:36歳(2015年3月)
疼痛期間:6年
診断名:慢性難治性疼痛
東海地方在住の女性。2度の交通事故後(2009年、2012年)、腰痛や首の痛みが慢性化した。事故後の保険会社の対応に非常に傷ついた体験がある。2014年8月よりモルヒネを開始し、現在、ある程度、痛みはコントロールできている。さらに2009年に乳がんと診断され、現在ホルモン療法を継続中である。痛みと乳がんを抱えながらも新たな趣味に挑戦するなど自分なりに対処し痛みに支配されないようにしている。
語りの内容
痛み止めを使って体を動かしてっていうことを続けてたんですが、なかなかその痛み止めから離れられなくて、だんだん、うんと、そのロキソニンとかそういう、まあNSAIDsが効かなくなってしまって。結局その2012年の交通事故の後に、えっと、もう腰の痛みで立っていられない、歩けない状態になってしまって、そこで、まあ、救急外来にかかって入院することになって、でも入院していろいろMRIだとかもいろいろ検査をしたんですけど、痛みの原因がわからないし。
―― 診断名が、あの、今も付いてないというか、まあ、こちらのほうを見たときには、慢性難治性疼痛というふうな感じで言われてるんだけれども、まあこれが。
まあ診断名と言えば診断名だと思うんですけど、じゃあ、それは何ですかって先生に聞いたら、なんかあまり、うま、――いつも何でも説明してくれる先生があまりうまく説明してくれなかったので。まあなんか付けようがないのかなっていう、私は判断をしているんですけど。
―― 何か付いたほうが、あの、安心するとかいうことはあったりするんですかね。
そうですね。その乳がんを経験したときにやっぱり痛みがずっと続いていても、病名がなくて、こう、治療法があるのかとか、何をしたらいいのかっていうのがわかんなかったんですけど、その乳がんって言われたときに、まあショックよりも、「あ、病名が付いて良かった」っていう思いが強かったので。やっぱり何か病名があって、それに基づいて、まあ、まあがんほどその痛みが、どう治療法が確立されてるかとかはちょっとわからないですけど、やっぱり病名が付いた上で、それに対して向かっていけるほうがやっぱり心強いかなとは思います。
インタビュー08
- 最初の頃は年数が経てば痛みがなくなっていくと思っていたが、今では痛みのない日はなかなか来ないことはわかっているので、痛みに支配されないよう他のことに集中したい
- 土日も病院やリハビリに行くことがあり、友人との時間をとることが難しくなったが、 無理に友人につきあうより、ゆったり1人で週末を楽しむようになった
- 痛み止めを使いながら体を動かすようにし、新しく始めた山登りの趣味に没頭している
- 事故後の保険会社の人とのやりとりで精神的に追い詰められた。痛み止めや鍼灸などにかかるお金は慰謝料では足りない
- だんだんトラムセットが効かなくなったので、モルヒネを使い始め、量が増えて飲むのが大変になったので、今はフェントステープを貼っている
- 講演会で医療用麻薬は適切な使い方をすれば中毒にはならないと聞いていたので、モルヒネもすんなりと試すことができたが、将来の出産にどのような影響があるのかが不安だ
- 事故後、いろいろな検査を受けたが原因はわからなかった。「慢性難治性疼痛」というような診断名があるが、つけようがないのだと思う。それでも病名があった方がいい
- ペインクリニックでは痛み以外にも目を向けて話を聞いてくれたし、理学療法士さんも痛みがあってもうまく日常生活を送れるようにすることに重点を置いていたので助かった