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インタビュ一時:55 歳(2017 年2月)女性
疼痛期間:24 年以上
診断名:オーバーラップ症候群*(全身性強皮症、シェーグレン症候群)。
近畿地方在住の女性。29 歳から全身の痛みがあり、大手の臨床検査専門会社で 14 年間(2年間は休職)働いていたが、腰椎圧迫骨折を機に40歳で退職した。ステロイド治療を受けるが効果はなく、現在も痛みは続いている。認知症の実母と二人で、在宅支援を受け生活している。病老介護で経済的に不安定な状況である。絵本や詩集を楽しみ、人との交流を持つなど、ポジティプに過ごすことで、痛みを受け入れている。
*オーバーラップ症候群:複数の膠原病が重複して発症する状態
語りの内容
それが平成13年に、あの、放送大学の勉強した中で、えーと、「疾病の成立と回復促進」という科目の中に「回復困難と見なされた事例の看護」という章があって、その中に病気が治らないって言われたけれども、自分で病気を克服しようって言う看護師さんがいて、その克服の仕方が書いてあったので、だったら私もできるんじゃないかと思って。えーと、その痛みの箇所、脳の痛みの箇所が働かないように、違うところを活動させる。例えば、音楽を聞くとか、えーと、何かを一生懸命見るとか、その痛みとは関係ない場所の脳を働かせる。あと脳の中で、あの、脳内麻薬っていうのが出てるんですけども、それが出るようなこと。それはあの、楽しい、楽しいなぁと思ったりとか、うれしいなぁと思ったときには出るので、そういうようなのをなるだけする。あの、例えば、よく言うランナーハイの状態で、そのハイの状態になると、あの、今まで走ってて、大変もうつらいなと思ったのが、急に気持ち良くなって走れるようになるっていうのと同じ状態に持っていけるようなことを、私も考えてました。 そうするには、やっぱり体の状態もきちっとしなきゃいけないので、安静をする。だから、睡眠をよく取るし、食事も気をつけるっていうようなことに配慮しました。
インタビュー39
- 痛みが続いていることについては受け入れるしかない。神様、仏様が痛みに耐えられる人間だと思ったから与えられた試練だと思うしかない(音声のみ)
- 冷えないように温かい恰好をするようにしている。医師も服装を細かく見て注意してくれる
- 「痛い」と常に言っているのではなく、「痛い」と言うのを休憩させて、小さなことでも楽しいことに挑戦してみることで、痛みを少しずつ減らす方法を自分で見つけていく
- 放送大学の講義を参考にして、脳の中の痛みを感じる箇所が働かないように、自分でも音楽を聞くなどして、脳の違うところを活動させるようにしようと考えた
- そのときの気分にあわせた音楽に集中していると痛みも和らぎ、痛くても眠ることができる
- 見た目は普通だが怠けているのではなく本当に動けない。理解してもらうには、自分に乗り移って感じてもらうしか、わからないような関節の痛み、筋肉のだるさがある
- 圧迫骨折で動けなくなったことの証明として治療で使用したステロイドの量を全部チェックし2回目の申請で障害年金をもらうことができた
- 痛みのために休職・復職を繰り返した後、しっかり2年間休んだ。復職するつもりだったが会社からもう雇い続けることはできないと告げられ退職となった
- 周囲の人から反対されても痛みがある自分との旅行につきあってくれた人や、その人の生き方の糧として自分を手助けしてくれる人がいる