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インタビュー時:22歳(2015年7月)
疼痛期間2年
診断名:複合性局所疼痛症候群( Complex regional pain syndrome:CRPS)。
関西在住の女性。ワインのビンが破裂し,破片が右手に刺さった。皮膚移植の手術後から右手中指、薬指、小指と手のひらに激痛が持続した。内服薬と神経ブロックで治療を受けたが、思うような効果が得られず,今でも火に炙られているような苦痛があり、右手を常に「グー」にして刺激を避けているため、日常生活で右手が使いにくい。現在は大学院で学業を続けている。
語りの内容
まずこれが一生続くのかと思うとつらいというか、自信がない部分はあります。その一応、原因とかは別にして1回そういうふうになると、なかなか治るのが難しいみたいなふうには理解しているので、うーんとその目処が立たない。あとは、その波が、波がある。
あとは何だ。その範囲も今痛いところだけが全てじゃなくて、結構広がってきたりとかするっていう話もあるし。実際にその2回目の手術をしてくださった病院。その有名な先生のところだったんで、そこにはいろんな患者さんがいらっしゃって、なんか同じそのCRPSの方もいらっしゃったんですけど、かなりもう初めの指1本から広範囲に及んでいったという患者さんを見ていたので、その先が見えないっていうのが、それに対して今不安に感じているところです。今のをずっと続ければいい。だから、今を受け入れようって思うんだったらいいんですけど、ま、まだ頑張れるかなと思うんだけれど、これより悪くなるかもしれないとか、しかもそれが何年後になるかもわからないし、いつどうなるかわからないっていうのが……、それがやっぱり考え出すと切りがないですね。
せっかく今、まあちょっとぐらい痛くても生活が、やりたいことを頑張ろうみたいなふうに思っていても、急に例えば今以上になったりとかして。もちろん良くなることもあるし、それを一応目指してるんですけど、やっぱり悪くなったときのことも考えてしまって。今せっかくこれで、まあいいやと思えてたのに、これよりまださらに悪くなる、かもしれないとかいうふうに思うと、まあ怖いというか、不安ですね。うん。でも、それがそのCRPSというののわからなさ。うん。
あと、まあ一生とかいう言い方をされると、まだ私、20、20歳でケガして、あと何十年間これ痛いんだっていうふうに思うと長い。長いなって。そんな、そ、損、何が損かわからないのに、なんかもう(笑)、これからの人生、もったいない結果に終わってしまいそうとかまで考えてしまいますね。うん。考えても切りが、切りがない(笑)とは思いながらも、もう人生、トータルで見て、しまいます。
インタビュー13
- この痛みが一生続くのかと思うとつらい。痛みの範囲が広がったという人の話も聞き、先が見えないのが不安。これからの人生がもったいない結果に終わるのかと考えてしまう
- 右手で重いものを持つことを避けたり、誰かにぶつからないように注意して歩くなど、常に右手をかばいながら生活している
- 授業や外出中に急に刺さるように痛んで家に帰らねばならないこともあるが、そんな時は別な日に行ければいいと思う。一瞬にとらわれてすべてが終わりと思わないようにしている
- 痛みと治療に関して毎日記録をつけて自分の痛みの基準を作ることで、いつも「今が一番痛い」と思いがちなのが、「以前より良くなっている」と実感しやすくなった
- 3年近く前、友人の誕生日パーティーでワインを開けようとして瓶が割れ、右手を怪我して足からの皮膚移植の手術を受けた。怪我をした時からずっと痛みが続いている
- 学校を休まなくてはいけないことが辛かった。同級生が就職活動をしている中で自分は卒業できるのか、将来、働くことができるのかとても不安だった
- 授業中も痛みに耐えて座っているだけという感じで、外出準備も大変に思え、引きこもり気味になってしまった
- 痛む右手に鍼を刺すなんて考えられないと思ったが、ツボは左右対称なので左手の同じところに打てば効くと勧められた。試してみたが効果は感じられなかった