慢性の痛みは、ちょっとした動作や外出、家事全般、運動といったからだを動かす日々の活動にも影響していました。慢性の痛みは完全になくなることはありません。慢性の痛みをもつ人は、痛みがひどくならないように様々な工夫をしながら日々の活動をしていました。ここでは、慢性の痛みが日々の活動にどのように影響しているのか、その影響に対し痛みを抱えながらどのように対処しているのかについて紹介します。
ちょっとした動作
普段、何気なく行っている動作にも、痛みがひどくならないようにどうすればよいか注意して行動したり、外出先で自分にはできないことをあらかじめ想定し、回避できるように意識しているという語りがありました。
外出
外出することによって痛みがひどくなることが多いが、自分にとって楽しいと思える外出のときには、痛み止めの頓服やドリンク剤を飲んで気分を明るくして出かけるという人がいました。また痛みのため歩くことが怖く、一人では外出できないこと、万が一、転倒した際に迷惑をかけたくないと近所の人に付き添ってもらうことを断っていると語った人がいました。
外出時に公共交通機関を使う場合、ラッシュ時は避けたり、車の運転をする方は、運転に支障がないように鎮痛剤を飲む時間を考えているという語りがありました。
家事
多くのひとが痛みや関節の変形で家事をスムースに行うことが難しくなっていました。できないことは家族やヘルパーに依頼する方もいましたが、自分なりにできる方法や負担が軽くなるように工夫されていました。また家事をすることがリハビリテーションとなる、家族内での自分の役割であり1日の目標であるという語りがありました。
運動
日々の生活の中で、痛みがひどくならない範囲で軽い運動を取り入れているという語りがありました。なるべく階段を使ったり、散歩するなど運動不足を解消することが痛みの軽減につながると考えている人もいました。
2018年3月公開
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