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インタビュー時:22歳(2015年7月)
疼痛期間2年
診断名:複合性局所疼痛症候群( Complex regional pain syndrome:CRPS)。
関西在住の女性。ワインのビンが破裂し,破片が右手に刺さった。皮膚移植の手術後から右手中指、薬指、小指と手のひらに激痛が持続した。内服薬と神経ブロックで治療を受けたが、思うような効果が得られず,今でも火に炙られているような苦痛があり、右手を常に「グー」にして刺激を避けているため、日常生活で右手が使いにくい。現在は大学院で学業を続けている。
語りの内容
―― 日々の痛みをご自分で、少し対処したりとかできているのは、どんな方法でその自分の痛みとうまく、生活できるように何か工夫されていることや注意されていることが何かあったら教えていただけますか。
実際的な部分、気持ち的な部分と実際の行動としてやっている部分に分けられるんですけれども、まあ行動としては、基本的には例えば、物を持てない。まず、右手で重たいものを持つとかいうのは無理なので、例えば身近なことで言えば、買いものに行ったときも一度に買いすぎるのは、いくら独り暮らしといっても無理だから、まあかなりこまめに買いものに行くとか、もう重たいものはそもそも持って帰ることができないので、ネットのサービスを利用したりとか、郵送してもらえるものは郵送したりとか。あと外出するときは荷物を減らし、手を空けることができるようにするとか。
あとはそうですね。あらかじめ、そのできないことが起こり得そうな場合を意識して、常に意識して、それをあらかじめ回避するようにはしてますね。例えば荷物を運ばないといけないような状況にならないように、あらかじめ例えばほかの役割を担うことに立候補するとか。できなくなってから言うよりも初めからわかっているところは回避しようとか。でも、それでも、もちろん急に、ここでこんなことに、起こるとは思わなかったみたいなことはもちろんあるんですけれど。
人にぶつかったりするっていうのも結構もう恐ろしいことなので(笑)、基本的には例えば誰かと歩くときにも、座るときは自分が右側に座るんですけど、歩くときはずっとその人が横にいたほうが、その人と当たらないように気をつけていればいい話なので、左側に歩いたりとか。うん。でも、なんか最近はなんか腕組んで歩いてるって言われて、かばってやっぱり知らないうちに歩いてるらしくて自分でも最近気になり始めたのが、体が歪んでくるみたいです。その、結局右側かばって歩いてるから、もう自然と行動全てが右手をこう、かばう感じになって、腰、背骨が曲がってきてるって、その元の先生に言われて。それでもう気をつけないといけないなとは思うんですけど。でも、それぐらいやっぱり右手をかばって、歩いたりとかしてる。で、対処しているのかなと思います。
インタビュー13
- この痛みが一生続くのかと思うとつらい。痛みの範囲が広がったという人の話も聞き、先が見えないのが不安。これからの人生がもったいない結果に終わるのかと考えてしまう
- 右手で重いものを持つことを避けたり、誰かにぶつからないように注意して歩くなど、常に右手をかばいながら生活している
- 授業や外出中に急に刺さるように痛んで家に帰らねばならないこともあるが、そんな時は別な日に行ければいいと思う。一瞬にとらわれてすべてが終わりと思わないようにしている
- 痛みと治療に関して毎日記録をつけて自分の痛みの基準を作ることで、いつも「今が一番痛い」と思いがちなのが、「以前より良くなっている」と実感しやすくなった
- 3年近く前、友人の誕生日パーティーでワインを開けようとして瓶が割れ、右手を怪我して足からの皮膚移植の手術を受けた。怪我をした時からずっと痛みが続いている
- 学校を休まなくてはいけないことが辛かった。同級生が就職活動をしている中で自分は卒業できるのか、将来、働くことができるのかとても不安だった
- 授業中も痛みに耐えて座っているだけという感じで、外出準備も大変に思え、引きこもり気味になってしまった
- 痛む右手に鍼を刺すなんて考えられないと思ったが、ツボは左右対称なので左手の同じところに打てば効くと勧められた。試してみたが効果は感じられなかった