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インタビュー時:49歳(2017年5月)
疼痛期間42年
診断名:線維筋痛症、未分化型結合組織病 他。
九州在住の女性。自営業(講師)と、公務員(非常勤職員)として就業。
母親・弟と3人暮らし。小学生の頃より激しい肩こりと頭痛を自覚し、20代より痛みが全身に広がり、30代では自力で体を動かせなくなり、離婚を経験した。32歳で線維筋痛症という確定診断がつき、ステロイド治療を始め投薬治療を受けたが副作用が強く、現在は頓用薬で痛みを抑えるのみで、全身の痛みは継続している。闘病体験を書籍化したり、医学部生向けに講義したりすることを通して自分の役割を見出した。
語りの内容
学生さんの講義に出席させていただいて、患者体験をお話しさせていただくということを2002年からスタートしてまして。で、まあ実際その寝たきりだったり、まあ痛くて痛くてという時期があっても、その(講義に出る)時期になると自分で体調を整えて、退院してというようなことをやってたんですね。で、その…2002年のときに、まあ医学部で学生さんの講義に参加させていただくときも、その担当の教授が、「大丈夫なのかな?」って気にかけてくださってたんですが、その当時は90分の講義の時間だったんですが、その90分、痛みを忘れることができたんですね。で、それは私にとってもすごくあの、びっくりする体験だったんですけれど。それまでもう痛くて痛くて、もう10分と座っていられないような状況だったんですけれど、実際に学生さんの前でお話をさせていただいたり、えー、教授の講義の時間も含めて90分その場にじっと座っているっていうことができたんです。
で、終わってから教授から、「痛みはどう?」って言われるまで痛みのことは忘れててという体験から、「ああ、なんか、痛みが楽になる時間が、お薬を使わなくてもあるんだ」っていうことをそのときに発見したんですね。で、それと同時に、まあ教授がおっしゃっていたのは、「あ、痛みが動く」っていうことをまあ教授はおっしゃってたんですけれど。そういうことが、自分の中でもすごく不思議で不思議で仕方がなかったんですが、実際に2006年から自分で仕事をするようになってから、「あ、自分がやりたいことに対しては、自分が味方をしてくれるんだな」っていう気づきにつながったんですね。
その自分とのコミュニケーションが大事なんだということをお伝えする中でも、自分がやりたいことのためには、まあ何か病気があろうがなかろうが、健康でも病気の人でもやっぱり、自分が心から望むことや、自分が望むことに向かっていくときのエネルギーというのは、もう想像もつかないほどのエネルギーが自分の中から出てきて、まあ要するに、自分自身が自分の応援をしてくれるんだなっていうところを考えるようになったんですね。まあ症状の変化というのが実際にあるんですけれど、しっかりとその、私自身が体験することで、そのことをまたさらにお伝えしていくという役割を私はいただいているのかなっていうようなことを自分で、まあ自分の都合のいいように考えたりしてたんですけれど。
インタビュー21
- 毎日、朝昼晩と痛みの変化の記録をつけていると、逆に痛みから離れられなくなってしまうので、痛みがあってもどうすれば楽に過ごせるかを考えたほうがいい (音声のみ)
- 小学生のときから激しい肩こりと頭痛があり、20代でその痛みが全身に広がり、手の指先、足先、関節の痛み、内臓の痛みまで出て、30代で痛くて寝たきりとなってしまった
- 線維筋痛症の診断後ステロイドパルス療法を受けた。びっくりするくらい痛みが楽になったが、ステロイドを減らしていくと痛みが元に戻ってしまった
- ペンタジン*の注射も感動的に痛みが消え幸せになる治療だったが、使えば使うほど副作用が出たので、薬に頼るだけでなく痛みとうまくやっていくことを考えるようになった
- 人間の命は単純ではない。病名が付かないと病気扱いされないが、そういったことに振り回されず、自分の中で感じている異常はまず自分がわかってあげるのが大事(音声のみ)
- NLP※を学び、試行錯誤して専用のカリキュラムを作り、人にも伝えるなかで体調コントロールが出来るようになり、寝たきりだったところから社会復帰した(テキストのみ)
- NLPで痛みは楽になっていったが、今は線維筋痛症以外の病気もあって、気持ちや考え方だけではどうしようもないと感じることがある(テキストのみ)
- 医学部の学生に患者体験を話す講義を担当した。その間は痛みを感じなかったことを発見し、自分のやりたいことに対しては自分が味方してくれるんだと気付いた (音声のみ)
- 自分が具合が悪いことで人に不快な思いをさせないようにするためだけでなく自分が前に進む ためにも痛くても笑顔でいることを意識するようになった(音声のみ)
- 痛みの専門医ではない医師に出会い、痛みについてではなく日常生活ややりたいことについて話すうちに、痛みと向き合うというより自分自身と向き合うようになって成長できた