インタビュー時年齢:60代(2015年4月)・男性
通年性アレルギー性鼻炎の治療薬の治験(第3相・プラセボ対照盲検試験)に参加。
首都圏在住。新薬の研究開発に携わった後、知り合いから治験を紹介され、被験者の立場を経験したいと治験に参加。概要を知っている薬剤の治験だったので、快諾した。治験に参加して金銭的なメリットも感じた一方、もっと詳しい情報と、実薬だったか、プラセボだったかは知らされてもよいのではないかとも思った。医師が過剰な負担なく治験ができるようになるとよいと思っている。
語りの内容
わたしの場合には、最初のスクリーニングのときに1回、あとは、4週間なので1週間ごとに通院して、一応先生に診てもらって、かつ、(症状を記録する)日記の状態なんかを示すわけなんですけども、そのごとに1回1万円もらえたので、これはすごいありがたいことでしたね。
―― そういうことも、事前にコーディネーターから説明があったんですか。
聞いていました。ええ。これで参加して、結局、その5回通院して5万円ですから、これはそれなりにありがたかったですね。この5万円も、ほんとあとで僕もありがたかったんですけど、普通はこういうかたちでお仕事すると、通帳に振り込んで、普通の仕事もそうですけど、源泉つけて10パーセント除いてきますよね。そういうもんだろうなと思ったら、全く違って。
―― 本当に(通院)1回1万が、額面通りくるという。
そうなんです。僕は、それは、本当、最後になってびっくりしました。つまらないですけど、サラリーマンっていうのは、仕事一生懸命やって、残業しても、全部振り込まれて奥さんが管理しているので(笑)。
今回の(5回通院した分の)お金ももし5万円入ったら、全部これ奥さんのものかなと思ったら、一切そういう記録がなくて5万円(が現金で直接)僕に入ったので、わたしのへそくりだったから。いろいろ治験に関して金銭的ことをしちゃいけないとか言っていますけども、やっぱり、治験を勧める側にとっては大きなインセンティブになってくるのは確かだし。やはり、全く無償というわけにはいかないというか。治験の謝礼ではなくて、あくまで必要経費ということになっていますけど、それは、それなりに助かりましたというか、ありがたかったですね。
インタビュー31
- GCP省令で書類づくりが大変になり、医師が患者に症状を細かく聞かなくなって、コーディネーターに任せきりになっているのがもったいない気がする(テキストのみ)
- 細かい情報まで伝えてとは言わないが、参加した治験の結果がどうなったかということを被験者に知らせてくれる制度があってこそ、患者中心の医療だと思う(テキストのみ)
- 自分で医薬品医療機器総合機構のホームページの新薬公開資料で調べた。推測では承認されていない(テキストのみ)
- 通院ごとに1万円が支給されるとは聞いていたが、税金を引かれることもなく額面通りにもらえたのでへそくりのようでありがたかった(テキストのみ)
- 交通費を補う目的で1回ごとに7,000円の謝金が振り込まれたが、自分は他府県の病院に遠距離通院していたので、マイナスだった(テキストのみ)
- インフォームド・コンセントの資料は本当にわずか内容なので、医師が持っている詳しい資料一式を見せてもらいたいと言ったが、叶えられなかった(テキストのみ)
- 薬が効いた気がした間は日誌を丁寧につけていたが、効果が感じられなくなってプラセボかもしれないと思い始め、飲み忘れたり記録し忘れるようになった(テキストのみ)