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インタビュー時年齢:42歳(2015年3月)・女性
乳がんの免疫療法の臨床試験(【1】)に参加を希望したが参加不可。代諾者として、小学生の息子を近視の視力回復治療の臨床試験に参加させた(【2】)。
関西地方在住。自身は2009年に乳がんを発症。当時は治験コーディネーター(CRC)として働いており、術前化学療法をおこなっている最中にがん免疫療法の臨床試験【1】を見つけ、応募して検査を受けたが、「条件に合わず参加不可」という結果が届いた。2012年に学童対象のオルソケラトロジーの臨床試験【2】が近くの大学病院で行われていることを知り、近視が進んで眼鏡を使用するようになった小学生の息子を参加させた。
語りの内容
知っている先生とかに「息子にオルソケラトロジー(※)の臨床研究入らせたんですよ」って言ったら、「えー、子どもにようやるわ」って言われたりとかね。だから、やっぱり「まだ、(オルソケラトロジーのコンタクトレンズは)市販されていないんでしょう」って言われて、「(市販)されてないんでしょう。だから、臨床研究でしょう」って言ったら「えー、子どもにか(=子どもに、臨床試験中のものを使わせるのか)」っていう医療従事者はいました。だから、お医者さんの(ほうが、そうでない人たちよりも)かえって嫌なんやなっていうのが、うん、分かったりっていうのはあったんですけど。まあ、一応、チャレンジしてみないとっていうので(自分の息子は臨床試験で試すことにした)。
―― 医療従事者の反応じゃないけど「えー」みたいな反応とかがあったんですか。
いやあ、一般のママ友とかだと、みんな「いいないいな」っていう感じで、そんなに「えっ」ていう感じはないんですけど。えっていう反応したのは、やっぱりお医者さんかなっていう、うん。
―― 面白いですね。
そうですね。何か、やっぱり、安全性を完全に確認できてから、自分の子どもに使いたいって思っているんだなっていう印象ですかね。まあ、まだね、確かに安全性が完璧だとは言える状況じゃないので、その段階のものを(自分の子どもには使いたいとは思わない)っていうことなんだろうなとは思ったんですけど。いや、駄目だと思ったら(参加している臨床試験のコンタクトレンズを)つけなきゃいいんだしっていうふうに思ったんで。そんな話は無視っていう感じで。
※オルソケラトロジー:特殊なデザインのコンタクトレンズを夜間(就寝中)だけつけて角膜を矯正し、裸眼視力を改善させる治療手段。
インタビュー27
- 自分がCRCとして患者に治験参加をお願いする仕事をしていたので、被験者の立場を知りたかった(音声のみ)
- 嫌だったらいつでも止められる。とりあえず挑戦してみることが大事(音声のみ)
- ネットでワクチン療法の治験を見つけて、そこに載っている選択・除外基準はクリアしていたが、血液サンプルを送ったところ、白血球の型が合わず参加できなかった(音声のみ)
- 友人からは否定的な反応はなかったが、医師の方が慎重な反応で、安全性を確認してから子どもに使わせたいと思うのかもしれないと思った(音声のみ)
- 最初の頃は、使ったことがないハードコンタクトレンズを入れはずしするのがとても大変で、スパルタ式の訓練で、かわいそうに思った(音声のみ)