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インタビュー時年齢:75歳(2012年12月)
常用薬の副作用(胃潰瘍)の予防薬の治験(第3相・プラセボ対照試験)に参加。
首都圏在住。長年通院している病院で、狭心症治療薬(バイアスピリン)の長期服用中で胃潰瘍になったことがある患者を対象とする治験のポスターを見て、自分が役に立つことがあればと思い、参加を決意。2010年から約1年間参加した。薬が増えることに苦痛を感じることもあったが、治験に参加していることの責任感もあり、やめたいと思うことはなかった。
語りの内容
ああいう説明文というのは素人にはなかなか分かりづらく書かれるんですよ。というのは、ご専門の方が書きますからね、ええ。これは致し方ないんですけども、やっぱり、普通の人にも見せて、そういう人がどう分かるか、分かりにくいのかという、そういうフィルターをね、通したもので、治験の対象者にですね、見せるということのほうがよろしいんじゃないかと。やっぱり、そういう意味じゃ、ちょっとこなれてないんですよね。どうしてもテクニカル、術語みたいなものが、お使いになりますでしょう。皆さんはよく分かっていると。ただ、一般人は、ちょっと耳慣れないと。だから、治験という言葉自体すら、あまり一般の人は「何?治験っていうのは」っていう、そういう感じなんでね。ですから…その辺は、ああいう説明文書なんかは、そういう過程を経て作られたほうがいいんじゃないかという気が致します。
―― 説明を受けて、ご自身でも何か調べたりとか、されました?
いや、調べようがないですね、ええ。全然調べようがないです。
インタビュー03
- 長年お世話になっている病院で、どのみち定期的に通っているのでそのついでに役に立てればよいという、ほんの出来心のような感じで参加を決めた
- 参加したことで、臨床試験なり治験なりに従事している人と接触できたことは、なかなか得られない経験で、彼らのおかげで新薬が作られていることを実感できたのがよかった
- 治験を実施する側がよくわかっていることでも被験者にはわからないことが多いので、非常に丁寧な説明が必要である
- 自分が参加した治験はマイナス要素がなかったが、治験にもいろいろあるので、一概に皆に勧めるというわけではない。自分なりに内容を調べる必要がある
- 治験に参加してお金は支払われたが、それを目的として参加したわけではないし、人の役に立ちたいという精神で参加するのが望ましいのではないかという気がする
- 治験薬に期待を持って参加したわけではなく、病院に協力できればと思っただけなので、治験薬がその後どうなったか積極的に知りたいとは思わない
- 治験に参加することを事前に伝えたのは主治医ぐらいで、妻には事後に伝えた
- 説明文書は専門家が書いたもので、術語が多くて、わかりづらい内容だったと思う。一般の人に読んでもらって、作り直したほうがいいのではないかと思う
- 約束したことは守るのが当たり前で、治験の薬を決められたとおりに飲まなければいけないという義務感をもった
- 飲んでいる薬が偽物ではないかという疑いを持たれないように、始めに本物の薬とプラセボを見せて違いがわからないことを示して説明したほうがいいと思う
- アスピリンによる胃の炎症を抑える薬の治験は、対象者を2つのグループに分けて、本当の薬と擬似の薬を投与して比較するという試験だった
- 新薬の治験だったが、その結果が自分に反映するものではないと説明された。自分の持っている病気に対する直接的な治療薬ではなかったので、期待していなかった