インタビュー時年齢:60代(2015年4月)・男性
通年性アレルギー性鼻炎の治療薬の治験(第3相・プラセボ対照盲検試験)に参加。
首都圏在住。新薬の研究開発に携わった後、知り合いから治験を紹介され、被験者の立場を経験したいと治験に参加。概要を知っている薬剤の治験だったので、快諾した。治験に参加して金銭的なメリットも感じた一方、もっと詳しい情報と、実薬だったか、プラセボだったかは知らされてもよいのではないかとも思った。医師が過剰な負担なく治験ができるようになるとよいと思っている。
語りの内容
インフォームドコンセントの資料というのを読ませてもらったんですけど、非常にわずかな内容なので、僕は、ロイコトリエンって分かっているので、そんなのに関係なくサインはしています。でも、もっと本当は詳しく資料もらいたいですよね。それを見る見ないは別ですけど。ただ、もちろん特許の面とかも資料があると分かってしまうので、(治験に)参加したクリニックに、先生が持っているような資料一式、治験薬概要、プロトコール、細かい資料をおいといて、興味があれば見てくださいぐらいはやっていいんじゃないですかね。ただ、それをコピーとったり、どっかに患者さん持って行くとなると、それは確かに問題だけども、その場で見るぐらいは、させていいんじゃないでしようか。
―― もっと詳しい情報を知りたいっていうことは先方に伝えたりとかしたんですか。
先方というか、そのコーディネーターの方には、わたしも昔、その、抗アレルギー剤で似たような薬もやっていたので、これの治験薬概要書ですとか、プロトコールの本当の物とか、それから、インフォームドコンセントとるためのもっと詳しいその副作用の一覧とか、そういったものを見たいなと言ったけども、それはかなえられませんでした。
―― ああ、そうですか。それは何で駄目なんでしょうね。
分かりません。
インタビュー31
- GCP省令で書類づくりが大変になり、医師が患者に症状を細かく聞かなくなって、コーディネーターに任せきりになっているのがもったいない気がする(テキストのみ)
- 細かい情報まで伝えてとは言わないが、参加した治験の結果がどうなったかということを被験者に知らせてくれる制度があってこそ、患者中心の医療だと思う(テキストのみ)
- 自分で医薬品医療機器総合機構のホームページの新薬公開資料で調べた。推測では承認されていない(テキストのみ)
- 通院ごとに1万円が支給されるとは聞いていたが、税金を引かれることもなく額面通りにもらえたのでへそくりのようでありがたかった(テキストのみ)
- 交通費を補う目的で1回ごとに7,000円の謝金が振り込まれたが、自分は他府県の病院に遠距離通院していたので、マイナスだった(テキストのみ)
- インフォームド・コンセントの資料は本当にわずか内容なので、医師が持っている詳しい資料一式を見せてもらいたいと言ったが、叶えられなかった(テキストのみ)
- 薬が効いた気がした間は日誌を丁寧につけていたが、効果が感じられなくなってプラセボかもしれないと思い始め、飲み忘れたり記録し忘れるようになった(テキストのみ)