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インタビュー時年齢:80歳(2015年2月)
肝臓がんの治療薬の治験(第何相かは不明・プラセボ対照試験)に参加したが、再発のため中止。
首都圏在住。2009年にC型肝臓がんが見つかる。人の役に立てると考え、主治医から紹介された治験に2012年頃から2年間参加した。経済的に余裕がなかったこともあり、治験に参加することで検査や薬の費用免除があったことはとても助かった。再発したため治験参加は中断した。費用面の援助がなくなったことは非常に残念だが、人の役に少しでも立つことができてよかったと思っている。
語りの内容
―― ご家族の方とか、ご存じだったですか、治験のこととかは。
細かくは分かんないけど、「治験」?何か悪くなるようなことを考えている人も結構いますよね。「治験やっている」って言ったら、僕の周りにいる人たちは、「へえー」つって感心してくれたですけど、何か、あんまり親しくない人たちは、治験っていうと、何かこう、実験材料にされるようなね、そういう色眼鏡で見ている方も結構いますけどね。
―― ご自身は、特にそんなことは思わなかった。
僕は、もう、全然思いませんでした。僕は、もう、世の中のためになるっていうことが、この晩年になってから特に意識するようになったんで、むしろありがたいなと。で、今後も、それこそよく言うんですけどね、「僕みたいなC型肝炎ウィルスの、僕の場合、臓器移植も何もできないね」って言ったら、「うん、できないね」って言われたんですけど、それが残念なくらいでね。普通、治験っていうと、何か、ちょっと、こう、薬でもってモルモットにされるんじゃないかとか、そういう感覚持つ人もいると思うんですけどね。だけど、決して…その治験薬を飲むにあたって、副作用とかそういうものもよく調べてくださるし、もし、治験薬を飲んで、病状的に苦しくなったらいつでも止められるし。それから、周りの人で治験でもって悪くなったっていう人、僕は、治験の薬もらうときも並んでいる窓口でもそういう話は聞かないですしね、うん。きょう、何か、新聞で見たら、糖尿病(の薬)が副作用が出たとかって、あれなんか、もう認可されている薬ですからね。だから、薬っていうのは、やっぱし、両刃の剣で、副作用が当然あるのは当然ですしね。ただ、やっぱし、……エボラ出血熱で、ある、全然違う会社が、エボラ出血熱に効く薬を偶然見つかったということもありますしね。だから、やっぱし、トライして人類というのは、少しずつでも進歩しているんだから、それに役に立てれば治験っていう制度は、僕は、もう、また生まれ変わってもやりたいですね。