インタビュー時年齢:49歳(2013年12月)・女性
肺高血圧症の【1】経口薬の治験に参加した後、【2】吸入薬の治験(いずれも詳細不明)に参加したが途中で中止
首都圏在住。2008年ごろ主治医から経口薬の治験【1】を紹介され、約半年間参加。副作用や補償体制が心配だったが、既に海外で発売されている薬で安全性がある程度確立されていて、辛くなったらいつでも止められると説明されたので安心した。記録などが少し面倒であったが、最後まで続けられた。つい最近(2013年)受けた二回目の治験【2】は吸入薬で機器を扱うので大変だった。途中、適格基準から外れていることが判明し、参加中止。
語りの内容
当時は、(肺高血圧症は)すごい珍しい病気で、治療薬がなかった、世に出てなかったんですね。でも、いろんなメーカーさん、製薬会社さんが臨床試験中の薬が結構あって、先生も海外では発売されていて、日本では承認がまだだけどっていう感じで、もう輸入して、重症患者の人には積極的に、薬を投与されていたんですね。なので、まあ、そういうふうな人たちは、もう、治験対象外じゃないですか。でも、わたしは幸いなのかよく分からないですけど、その辺は、投与前だったんで、治験が受けられる状態でした。今の時期からだったら、ちょうど治験受けられるんだけど「もう、著効例が、結構海外でも多いし、もう日本でも、重症な人には、わたし(=主治医)が輸入して、投与していい成績をあげている。副作用も少ないし。」っていう説明があって。で、「まあ、ちょっと、詳しい担当者から説明聞きますか」っていうふうに言われて、「あ、じゃ、お願いします」っていう感じで。で、その治験薬を紹介されたっていうのが、まあ、きっかけですかね。
―― 詳しい担当者っていうのは、CRCとかそういう方でしたか。
そうですね。はい。
―― 「説明、じゃ、聞きますか」って言われて、「聞きます」という感じで?
ええ、はい。
―― そういう副作用が起きたときとか、そういうことを中心に何か尋ねられたりとかしたんですか、担当者に。
先に説明を一通りしてもらって。治験の冊子があるじゃないですか。それを、元に。……でも、わたしが気になったことを質問させてもらって、お話いただいてっていう感じで。ほんとにいいことだけじゃなくて、ちゃんと悪い例も、こういう場合もありますと。
―― そういう内容とか、その質問への回答とかっていうのは、納得いくものでしたか。
うん、納得はいきましたね。すごい誠実な方で、誠実さが伝わってきたので、……。うん、安心しました。
インタビュー12
- 初回の吸入の時から頭痛と血圧の低下がひどかったので、本来7~8回やるべき吸入を6回に減らしてもらった(テキストのみ)
- 医師から、肺高血圧症の治験について詳しい説明を聞くか尋ねられ、CRCを紹介された。治験の冊子の中で気になったことを質問したが、誠実な回答で納得できた(テキストのみ)
- 忙しく働いている中で、薬を決められたとおりに飲み、体の状態を記録していくという作業は負担というほどではないが面倒くさかった(テキストのみ)
- 肺高血圧症は珍しい病気なので患者同士の結びつきは強く、患者会や外来での情報交換は積極的に行われている。治験に関する経験を共有することもある(テキストのみ)
- 参加して半年ぐらいで、治験薬が発売されるため治験が終了になるといわれたが、その後も承認済の薬として継続投与となり、今も飲み続けている(テキストのみ)