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インタビュー時年齢:50代・妻と60代・夫(2013年9月)
【1】子どものアトピー性皮膚炎の治療薬の治験(詳細不明)に参加を断られた。【2】糖尿病の治療薬の治験(詳細不明)に誘われたが参加しなかった。
首都圏在住。1998年ごろ、当時9歳だった息子を藁にもすがる思いでアトピー性皮膚炎の治験【1】に参加させようと、実施している大学病院に連れていったが、詳しい説明もなく治験ではない治療になるといわれた。また、2011年に夫が糖尿病の診断を受け、半年ほど治療を受けた後、治療費の節約になるからと治験【2】への参加を打診され、いったんは参加を決めた。しかし、仕事が忙しくてなかなかCRCと会うことができず、先方から参加の見送りを告げられた。
語りの内容
―― そんな中で、治験の、えー、記事を見付けてきたというか、あのー、お父さまが。
母:そうです。
―― ということなんですけれども、ちょっとその辺のきっかけ等をもう少し詳しくお聞かせ願えればと思います。
父:はい、これはわたしのほうから。あのー、……1993年に発売された、臓器移植時の免疫抑制剤、プログラフという薬があるんですけれども。その薬を売っていたその製薬会社が、そのあと、その薬をアトピー性皮膚炎の治療薬としても開発を進めていて。これ実は99年に発売になるんですけども、その前の年だと思います、確か。そういうニュースは、結構、事前にいろいろ、臨床試験の段階から伝わってきていますので。わたしも、それをちょっと注意していたんですけれども。できたら、うちでも、その子どもにも(その薬を使わせたい)みたいな、その発売されたら、こう、使えたらいいなみたいなことを思っていましたら。ある日、新聞にその製薬会社が、1ページ全面使ってその治験の治験患者の募集をしていましてですね、それを見まして、ちょっと応募してみようかっていうふうな話を彼女にもちかけたんですよね。それでもって一応応募してみたんですよね。駄目だった。
母:はい。
父:ね、それは何でだった。
母:病院に連れていって、大学病院だったんですけど、診察に連れていって、治験をしたいということで診察を受けたんですが、今回、ちょっと治験は(受けられません)みたいな、さらっと、何か。
父:うん、(参加できる枠が)いっぱいだったのかもしれないね。……2回目だ、確か。それで、いっぱいだったんではないかと思うんですけれども。うーん、まあ、駄目だったという、そういう経緯はありました。
インタビュー08
- 糖尿病の治療費がかかって大変だったときに、誘われた治験で薬代が浮くと聞き、頭の中でそろばんをはじいて参加を決めた(音声のみ)
- 新聞の全面広告に出ていた大学病院に行ったが、治験はできないと言われ、普通の治療に替わってしまった。もう一杯だったのかもしれない(音声のみ)
- 治験ではなく普通の治療になることについて、取り立ててこういう理由で治験ができないという説明があったという記憶がない(音声のみ)
- 医師は治験参加の動機付けとして「治療費が安くなる」ということを挙げていたが、治療と治験は別ものだから、そういう呼びかけは問題ではないか(音声のみ)
- 治験も治療の選択肢のひとつだと思っていた。しかし、副作用やリスクもあるので治療と治験は分けて考えなければいけないと感じた(音声のみ)
- 医師は糖尿病の薬の治験について段階が後ろのほうで、安全性試験も通っているから、あまり副作用の心配はしなくていいといった(音声のみ)
- 臓器移植用の免疫抑制剤をアトピー性皮膚炎の治療に使えるようにする研究があることを知っていたので、その製薬会社が新聞に全面広告を出したのを見て応募した(音声のみ)