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インタビュー時年齢:71歳(2015年4月)
直腸がんの術前化学放射線療法の臨床試験(詳細不明)に参加。
関西在住。2011年に直腸がんであることが判明。直ちに手術をするか、先に放射線治療と抗がん剤治療を行なってから手術をする臨床試験の二択があると説明された。何か協力できればという思いから、臨床試験に参加した。術後3年半経つが、いまも体調がすぐれず、放射線治療の影響ではないかと疑っている。しかし、自分で決めたことなので参加したことに後悔はない。
語りの内容
費用は健康保険で。
―― あ、保険なんですか。
はい。健康保険です。全部ね。はい、はい。
―― じゃあ、その、治験で行った分も、治験の薬を受け取る時もお金払うんですか、自分で。
もちろん、もちろん。これは、お金を払う、だから治験です、と。まあ、いろいろあるみたいでね。で、健康保険がききますっていう話で「ああ、じゃあ、いいな」と思って。そんなにかからないじゃないですか。健康保険が使えればね。使えなかったら、相当、すごいお金かかると思うけど、まあ、健康保険、すべてが、どれも健康保険がききます、と。まあ、でも、放射線はね、1回8,000円か1万円ぐらいかかったね。1回ね。
―― じゃあ、そういう意味では、普通の診療を受けてるのと変わらない、費用面では変わらないんですか。
そう、そう、そう。費用面ではまったく変わらないですね。
―― なんか、治験の種類によっては、そういう薬とか検査代が全部…。
無料の。
―― 無料になるっていうのもあると思うんですけど、そういう話も聞かれました?
だから、聞きました。「これは無料じゃないです。これは健康保険で払ってもらいます」と。「健康保険ききますので」って言って。まあ、それもわたしは安心した一つですけどね。反対に無料って言われたほうが、もっと、こう、治験っていうか実験的な要素が強いかなと思って。健康保険がきくんだから、まあね、まあ、国がそこそこ認めないと、健康保険きかないじゃないですか。だからきくんだな、まあまあだな、と、安心材料ですね、一つのね。うん。お金の問題じゃなくって、健康保険がきくかきかないかっていう。無料、有料って言われると、無料のほうが、わたし、してないかもわからない。怖いから。
―― ああ、逆に怖いから。
怖い。
―― あの、無料、もし無料の治験だったとしたら、勧められたのが。
受けてないやろな。
―― あ、もう絶対に。
うん。怖いわ。やっぱり。ほんとの実験台でしょ、無料っていったらね。お金を出さなくていいっていうことは。ただより安いものはないって言ったらおかしいって、昔から言うじゃないですか。わたしは、ただのものはいらんのですよ。すべてね。もう、ただは嫌なんですよ。すべて有料でないと信用できないんです。いや、ほんとに。人間ってそんなもんじゃないですか。ね。やっぱり無料っていうのはね。
せやな、わたしが90ぐらいになってたら受けてるかもね(笑)。いやいや、あとね、ちょっとやねって。90ぐらいの人に「受けてくれ」って言うてくるかどうかしらないけど、やっぱり、人生がね、長いとなると。やっぱり、わたしも68でしたからね。70といえ、もう70やからと思って受けたんだけど。80やったらどうかわかんないけど。いや、今、無料の分ね。80やったら受けるかもわかんないけど、70では、よう受けんわ。うん、うん、うん。