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インタビュー時年齢: 79歳(2014年2月)/女性
慢性骨髄性白血病の経口薬(第3相試験/実薬対照)の治験に参加。
首都圏在住。慢性骨髄性白血病で当時飲んでいた薬でなかなか良い結果が出なかったところ、主治医から治験を紹介された。新薬と既存薬のランダム化比較試験だったので、新薬を服用するかもしれないことや、通院の負担など参加への迷いもあったが、息子の勧めもあり参加を決意。2008年から1年間参加した。
語りの内容
はい、やっぱり責任感ですね。これ(治験薬)1カプセルあたりの薬価を考えると、やっぱり何十万円ですから。うち歯科なの、今辞めていますけどね。主人が亡くなってから。それで、わたし自身が、主人と結婚してから歯科衛生士学校へ通って、衛生士の資格も取っていて、多少は分かりますから。薬価の計算して、やっぱりこれがいくらになるっていうのは「ああ、大変なことだな。これだけの責任があるんだから、飲み忘れとか何かないように。」とか(思いました)。それもありましたね、(治験薬を飲み)忘れなかったっていうのは、ええ。こういう何ていうんですか、器に入って、それも開けられないようになっているわけです、子どもは。ちょっと特殊な閉め方で。そういうので「ああ、もう、しっかり飲まなきゃ。」って、責任感感じました。
―― 薬価とかは先生から聞いたわけでもなく。
多分、コーディネーターの人から聞いたんですかね。1カプセルがね、そのころ薬価でね4千何百円だった。あ、それじゃなくてグリベックの薬価を知っていましたから。それでね、グリベックの薬価から考えて、今度の薬のほうがそれより高いということ聞きましたから、はい。だから自分の頭で計算して、「ああ、わたしがもらった薬っていうのは、1年で800万円分ぐらいだったのかなあ」って自分で計算しました、ええ。
―― その薬の800万円分ぐらいを、治験だからっていうことで無償で提供されるわけですか。
ええ、そうです。検査ももちろん無償ですし、はい。ですから、ありがたかったですね。はい。
―― 病院に行ったときに交通費とか謝礼みたいなんて受け取りました?
ええ、口座に振り込まれました。それは交通費ということで「朝ラッシュがきつくて大変だ」と言いましたら、先生にですね。その1回あたりに出るお金っていうのは、タクシー代の足しの意味で出るんだということでした、はい。
インタビュー14
- 治療薬の副作用で体中がむくみ日常生活が辛かった。新薬でこの辛い状況が少しでも良くなればという気持ちで治験に参加した
- 自分にとっては参加はプラスだったが、結果次第で嫌だったら止めればいい
- 薬の値段を想像することができたので、治験薬をまとめて受け取ったときには緊張感を持つと同時に、被験者としてきちんと飲まなければと責任を感じた
- 前の薬で辛い状態だったが、治験薬を飲み始めて2か月後の検査で、値がよくなったのがとてもうれしく、前の主治医に報告しに行った。やめるということは全然考えなかった
- 歯科医の息子が病気説明と治験説明のときについてくれて安心した。治験参加を迷っていたときに背中を押してくれたのも息子だった
- 治験を実施した製薬会社の印象は当初良かったが、最近データ改ざんの記事など報道で取り上げられて、裏切られた気持ちで残念だ
- 治験の薬を飲む前後にはものを食べてはいけなかったので、薬を飲む時間を決めていたが、外食したり旅行に出かけた時は守れないときがあった
- 慢性骨髄性白血病で参加した治験は、国内では第Ⅲ相の段階だったが、海外では承認済みの薬だった
- もともと通っていた総合病院は待ち時間が長いので、治験を実施した大学病院に通い続けている