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インタビュー時年齢:72歳(2015年1月)
2型糖尿病の治療薬の治験(詳細不明)に参加したが、4カ月で中止。
九州地方在住。25~6年前に糖尿病と診断されたが、2013年ごろ「治験に参加しませんか」と通院先の病院から電話がかかってきた。病院で説明を受けた際、負担軽減費が支給されると聞き、それも参加の決め手のひとつになった。しかし、参加同意後に自分でインスリンを打たなければならないとわかり、少し嫌だなと思ったが、一度同意したからやめられないと思った。途中で条件に合わなくなり中止になったが、採血も注射も嫌いだったのでそれでよかったなと思っている。
語りの内容
―― 毎日、決められた通りに注射をやるのを。
そう。朝と夕方、1日2回。そして、寝る前にインシュリン(を打った)。
―― おなかの注射は痛くなかったですか。
おなかは痛かないけど、指先が痛い(=採血のために針を刺すのが痛い)。
―― 指先が痛い。それは、指先は、どの指を使って。
一番先は、人差し指からずうっと並べていって、また、また戻ってきて(=人差し指から順番に指先から採血し往復していた)。
―― あ、毎日。
毎日違うところを打って。
―― どんなふうな痛さがあるんでしょうか。
ま、きやっとするのかね(=ズキンと痛みが走る)。大体、注射は嫌やもんね。嫌いよ。薬だったらね、何でも飲むけどね。
―― でも、注射(=採血)が苦手だったのに、どうして治験止めようと思わなかったんですか。
いや、いや、せっかくしてもらってからね、止めるわけいかんわ。最後までせんと。気の毒いわ(=医療従事者に気の毒である)。せっかく(治験に参加しませんかと)言ってくれて、始めたんやけ。
―― もし止めたいって言ったら、がっかりするなって思ったっていうことですか。治験の人に最初に説明してもらったときに、途中で止めてもいいですよっていうふうには言われた?
いや、それは、聞いていない。聞いていない。
―― じゃ、やりとげなきゃいけないって。
最後までね。でも、途中で。
―― 数値が悪くなったんですね。その数値が悪くなったっていうのは、どういうふうにご連絡をいただいたんですか。
一番最後のね検査で、腎臓の数値が上がったから、ちょっと、今回は(治験継続は)見合わせて。
―― どういうふうにご連絡をいただいたんですか。
病院に行ってから。
―― 教えてもらったんですね。でも、途中で終了にはなったんだけれども、もし、数値が悪くならなければどのぐらいの期間続ける予定だったんですか。
1年間。
―― 1年間、じゃ、1年間痛いけど我慢して。
我慢して。最後まで(続けようと思った)。
―― そのやり遂げようっていう気持ちは、いつも、物ごとはやり遂げたいというふうに思うんですか。
(笑)、いつもとは思わないけど。これは、ちょっとね、最後までしとかんとね。
―― それは、どうしてですか。
まあ、自分のためもあるし、人のためでもあるし。
―― ま、治験の人にも。
気の、悪いから(=治験の人が気の毒だから)。