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インタビュー時年齢: 79歳(2014年2月)/女性
慢性骨髄性白血病の経口薬(第3相試験/実薬対照)の治験に参加。
首都圏在住。慢性骨髄性白血病で当時飲んでいた薬でなかなか良い結果が出なかったところ、主治医から治験を紹介された。新薬と既存薬のランダム化比較試験だったので、新薬を服用するかもしれないことや、通院の負担など参加への迷いもあったが、息子の勧めもあり参加を決意。2008年から1年間参加した。
語りの内容
(かかりつけの)総合病院で白血病と言われてから、1年目ですね。その間、ずうっとグリベックを飲んできたんですけども、血液検査の結果があまりよくないんで、総合病院の主治医の先生も「困ったね」というわけだったんです。そしたら、あるとき「家族の人も一緒に、ちょっと話があるから」と言われて、その席に息子と一緒に行って「実はこういうふうに治験の話が来ているけど」っていうわけで、まあ、詳しいその説明受けまして、そんときは説明聞いて帰ってきただけです。で、「よく、考えてみてくれ」と。それで、それから2回ですか、その総合病院に息子と一緒に行って。2回目に行ったとき、一応「今度、大学病院のその治験の先生に会おう」というふうに話が決まって。それで2007年の12月に初めて大学病院に行って、で、正式に受けるって決めたのが、2008年1月の末ですね。
―― じゃ、その正式に受けるって決めたのは、どういう決め手がありましたか。
やっぱり、それまでの薬では、とっても……(かかりつけの総合病院の)先生が安心するようなデータが出ないし、今、写真がありますけど、すごい顔になっていたんです。グリベックの副作用で。
ちょっと、どこいったかな、こんな顔になってましてね(写真を見せながら)。
―― あ、全然違いますね。
ええ、ですから、もう、顔が真っ白になって、ええ、何て言うでしょう、むんくで、もう体中むくんで、そして、もう、ズボンもスカートもはけなくなったというような状態で。ですから、そして、顔が真っ白だから、いかにも、わたしは病気ですって、お面、もう、看板しょって歩いているようなもんでね、はい。とっても、やっぱり、日常生活が辛かったですから、少し、その新薬を飲むということで、自分の体の状態がよくなればいいなっていう気持ちもありましたから、はい。
インタビュー14
- 治療薬の副作用で体中がむくみ日常生活が辛かった。新薬でこの辛い状況が少しでも良くなればという気持ちで治験に参加した
- 自分にとっては参加はプラスだったが、結果次第で嫌だったら止めればいい
- 薬の値段を想像することができたので、治験薬をまとめて受け取ったときには緊張感を持つと同時に、被験者としてきちんと飲まなければと責任を感じた
- 前の薬で辛い状態だったが、治験薬を飲み始めて2か月後の検査で、値がよくなったのがとてもうれしく、前の主治医に報告しに行った。やめるということは全然考えなかった
- 歯科医の息子が病気説明と治験説明のときについてくれて安心した。治験参加を迷っていたときに背中を押してくれたのも息子だった
- 治験を実施した製薬会社の印象は当初良かったが、最近データ改ざんの記事など報道で取り上げられて、裏切られた気持ちで残念だ
- 治験の薬を飲む前後にはものを食べてはいけなかったので、薬を飲む時間を決めていたが、外食したり旅行に出かけた時は守れないときがあった
- 慢性骨髄性白血病で参加した治験は、国内では第Ⅲ相の段階だったが、海外では承認済みの薬だった
- もともと通っていた総合病院は待ち時間が長いので、治験を実施した大学病院に通い続けている