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インタビュー時年齢:47歳(2015年9月)
移植後GVHD(移植片対宿主病)治療のための医療機器の治験に参加。
北海道地方在住。2005年ごろに悪性リンパ腫と診断され、造血幹細胞移植を受けてから慢性GVHDとなり、通院療養していた。2014年暮れに主治医から、うまくいけば長年服用しているステロイドの量が減らせるかもしれないと、医療機器の治験に誘われた。患者として役に立てる機会があることが嬉しく、承諾した。参加中、貧血で輸血が必要になることもあったが、半年間の治験スケジュールを完了した。
語りの内容
自分は、(治験で新たに生じる入院や通院という出来事を)楽しむほうです。だから、そこら辺が、今回の治験も、新しい病院で新しい人と出会うというかたちですから、そっちのほうが自分は楽しみでしたね。いろんな人と出会っていろんな話ができるっていうほうは、今までいる病院はもちろんいろんな人もいってますけども、患者である以上、あのー、皆さん、普通に仕事されている方とは違って、ずうっとこうして病人としてやっていくと、違った刺激が求められると思ったら、そういう病院っていうのは、また、違った場になるのかなと、自分はそういう考え方で今まできましたので。
―― じゃ、その病院を(普段通っていたところから治験を実施する病院に)移られてコーディネーターの方とかと結構交流とかあったりしたんですか。
ええ、もう、毎回、その治験のたんびに、必ず2時間かかるんですけど、1日にね、その間ずっとつきっきりでついてくれますし、もう、その間は、病気の話ばかりするわけじゃないじゃないですか。だから、まあ、くだらない話とか、それこそグルメの話とか、ま、そういう話で、結局、その時間を過ごすんで、ま、全員、治験(に参加している)の方が、そういうことをされているかどうか分かんないですけれど、自分は、もう、とにかく、もう、積極的にそういう人が休みの日にどういうことをしていますとか、そういうことを話してくれるんで。すべて楽しい時間ですね。自分ではできないもうできなくなっちゃっているんで、体が。だから、できている方の話を聞くだけで、こっちは楽しくなるのが自分の人との会話のときに大事にしていることなんで。
―― ほかに、かかわりを新しくもてるようになった方っていらっしゃいましたか、周りで。
まあ、もちろん、そのー、今回の治験の(機器の)メーカーの方とか、あとは、もちろんそこの新しく出会った先生とかですね。だから、先生っていうよりも、たまたま知り合った方が先生であって、それで、話している内容は、医療のことはそんなに話してないよっていう、ま、医療のこと話してもね、結局、きりないんで、と、自分は思うんですよ。医療のこと話して話して、よくなればいいですけども。よくならないっていう話じゃないですけどね、先生だって、治したくてやっているけども、治らないからっていうこと、愚痴ったところで困るだけだと思うんですよ、自分は。だから、先生との、その、まあ、プライベートでこういう外国で研修してきましたとか、そういう話を聞くと、おおーっと思って、例えば、ヨーロッパとかアメリカとかそういうところで、皆さんがそういう武者修行してくるんじゃないですか。そういう話を聞くと、そこでどういうものが美味しかったのとか、どういう生活があったのっていう話を聞くと、もう、自分が行けないけども、海外旅行に行っているような、妄想ですね、いい意味での妄想ができるので、それはほんと楽しい時間ですよ。
インタビュー42
- 被験者も医療者も病気を良くしたいという目標は同じ。一緒に治験に参加しているんだという気持ちでディスカッションしていかなくてはならない
- 参加賞の代わりに、医療従事者側から自分が参加した治験の対象になっていたものが承認されたという報告があったら嬉しいかもしれない
- 副作用として想定されていた貧血が出て3回も輸血をしたが、何かあれば病院が対処してくれると思っていたので、不安はなかった
- 勝手な思い込みだが、マウスとかモルモットではないけれど、表に出る前の段階の治療じゃないかなと思っていた
- CRCなど周りの医療従事者から趣味の話などを聞き、自分がもうできなくなったことをまるで経験しているかのように想像して楽しい時間を過ごした
- 医療機器の治験だったのでトラブル対応のためメーカーの人がずっとついてくれていて、その人とも病気以外の話をできて、いい人と出会ったと思った