※写真をクリックすると、動画の再生が始まります。
インタビュー時年齢: 79歳(2014年2月)/女性
慢性骨髄性白血病の経口薬(第3相試験/実薬対照)の治験に参加。
首都圏在住。慢性骨髄性白血病で当時飲んでいた薬でなかなか良い結果が出なかったところ、主治医から治験を紹介された。新薬と既存薬のランダム化比較試験だったので、新薬を服用するかもしれないことや、通院の負担など参加への迷いもあったが、息子の勧めもあり参加を決意。2008年から1年間参加した。
語りの内容
―― 息子さんとかは、その当時(=治験の説明を受けたとき)の話とかは覚えてらっしゃるんですかね。
息子は覚えていると思います、はい。息子は歯科医ですから。一番最初、わたしが病気になって、その病気の説明を、総合病院の先生に「こういう病名です」って説明受けたときも、わたしは頭が真っ白になっちゃうわけですよ。白血病なんて思いもかけない。「えー、何でわたしが?」っていう、そういう思いがあってね。だから、分かったような分かんないような先生の説明(でした)。でも、帰りの車の中で「あんまりよく分かんなかった」って(息子に)言ったら、「うん、大体分かっているから、帰ってから説明するよ」なんてね。それで助かりました、はい。
―― 治験のときはいかがでした。
治験のときですか。ええ、治験のときも、その説明も2回して、一緒に息子が来てくれて。やっぱり自分で分かんなかったのを、帰ってきてから「ここが分かんなかったけど」なんて言うと説明してくれたんで、そういう点は、わたし安心だったと思います。
で、最終的にやっぱり迷いってたくさんありましたけど、背中を押してくれたのは息子です。「もう、やってみる価値があるから。もしも嫌だったらいつ止めてもいいって先生は言ってくださっているから、そしたら止めればいいじゃないか」と。「だから、お母さんやってみたら」っていうふうに一生懸命言ってくれたんで決心したわけです。
インタビュー14
- 治療薬の副作用で体中がむくみ日常生活が辛かった。新薬でこの辛い状況が少しでも良くなればという気持ちで治験に参加した
- 自分にとっては参加はプラスだったが、結果次第で嫌だったら止めればいい
- 薬の値段を想像することができたので、治験薬をまとめて受け取ったときには緊張感を持つと同時に、被験者としてきちんと飲まなければと責任を感じた
- 前の薬で辛い状態だったが、治験薬を飲み始めて2か月後の検査で、値がよくなったのがとてもうれしく、前の主治医に報告しに行った。やめるということは全然考えなかった
- 歯科医の息子が病気説明と治験説明のときについてくれて安心した。治験参加を迷っていたときに背中を押してくれたのも息子だった
- 治験を実施した製薬会社の印象は当初良かったが、最近データ改ざんの記事など報道で取り上げられて、裏切られた気持ちで残念だ
- 治験の薬を飲む前後にはものを食べてはいけなかったので、薬を飲む時間を決めていたが、外食したり旅行に出かけた時は守れないときがあった
- 慢性骨髄性白血病で参加した治験は、国内では第Ⅲ相の段階だったが、海外では承認済みの薬だった
- もともと通っていた総合病院は待ち時間が長いので、治験を実施した大学病院に通い続けている