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インタビュー時年齢: 79歳(2014年2月)/女性
慢性骨髄性白血病の経口薬(第3相試験/実薬対照)の治験に参加。
首都圏在住。慢性骨髄性白血病で当時飲んでいた薬でなかなか良い結果が出なかったところ、主治医から治験を紹介された。新薬と既存薬のランダム化比較試験だったので、新薬を服用するかもしれないことや、通院の負担など参加への迷いもあったが、息子の勧めもあり参加を決意。2008年から1年間参加した。
語りの内容
ああ、ニロチニブを飲む2時間前から食べてはいけないんです。そしてニロチニブを飲んでからも1時間、要するに3時間絶食状態。それを朝晩2回。ですから、かなり厳しいということですね。それがもう生活パターンで、いろいろ「自分の生活パターンに合わせてやってくれ」と先生はおっしゃっていました。で、まあ、それ始めましたね、3月からね、はい。で、「きょうから、そのー、この薬を、こういうふうにして飲んでくれ」と渡されたときは、そのー、こういうふうに1カ月分ぐらいですか、全部渡されるわけですけど。非常に、その高い薬だというのは知っていましたから。ああ、これはもうこんな薬なくしたら大変だなと。やっぱり、ちょっと緊張感っていうかね、責任感感じました、はい。
―― その薬の管理とかは、どういうふうにされていたんですか。何か記録つけたりとか報告したりとか、そういうのは。
薬の管理って、そのー、朝2カプセル夜2カプセル飲んでいましてね。で、わたしは、このお菓子の箱、こういうふうにね、そうするとこういうふうに、お菓子じゃなくて、あれは何ですか、紅茶、ティーパックのね、こういうふうにしきりのあるのありますよね、よくおつかいものなんかで。それ、日、月、火、水、木、金、土とね書いて。それにもう日曜日の分4カプセル、月曜日の分4カプセル、日曜日の朝か土曜日の夜に全部こうやってちょんちょんちょんちょん入れとくわけです。ですから、それ見て、はい。で、わたしは、もうとにかく朝起きて、もう6時か6時半に飲むことにしました。そうすると夜中ですから食べていないわけですよね。ですから、楽にそれを、もう、朝起きたら、まず飲んで。と、それから1時間なんていうのは、うちのことやっていれはすぐすんじゃいますから。で、大体夜も6時に飲むと決めておけば、4時になったら、もう食べない、おやつとかね、はい。お茶か水だけ。ということで、はい。
―― それは、生活で何か不便だなとか思ったりは。
やっぱり、お友達と食事とか、1泊旅行とか、ねえ、うーん、息子家族とも、そんなしょっちゅうじゃないですけど、例えば、海外旅行行ったときなんかね、やっぱりごちそう食べるのにね。だから、たまには(治験の薬を飲むのを)パスする日もありました、はい。だから、まあ、先生は、もう、わたしのこのー、ね、「今の(症状が落ち着いた)状態になったら1回ぐらい抜けたって大丈夫ですよ」なんて笑っておっしゃっていましたけど。なるべくきちんと飲むようにしました、ええ。それで、治験が終わったときですね、そのコーディネーターの人が言っていましたけど、「すごいですよ」って。忘れないで1年間全部きちっと飲んだのは、もうわたしが初めてかしらとかって言っていましたね。みんな、やっぱり忘れちゃったり、あ、つい食べちゃったなんてことがあると飲めないわけですからね。外で働いている人は大変だと思います。
インタビュー14
- 治療薬の副作用で体中がむくみ日常生活が辛かった。新薬でこの辛い状況が少しでも良くなればという気持ちで治験に参加した
- 自分にとっては参加はプラスだったが、結果次第で嫌だったら止めればいい
- 薬の値段を想像することができたので、治験薬をまとめて受け取ったときには緊張感を持つと同時に、被験者としてきちんと飲まなければと責任を感じた
- 前の薬で辛い状態だったが、治験薬を飲み始めて2か月後の検査で、値がよくなったのがとてもうれしく、前の主治医に報告しに行った。やめるということは全然考えなかった
- 歯科医の息子が病気説明と治験説明のときについてくれて安心した。治験参加を迷っていたときに背中を押してくれたのも息子だった
- 治験を実施した製薬会社の印象は当初良かったが、最近データ改ざんの記事など報道で取り上げられて、裏切られた気持ちで残念だ
- 治験の薬を飲む前後にはものを食べてはいけなかったので、薬を飲む時間を決めていたが、外食したり旅行に出かけた時は守れないときがあった
- 慢性骨髄性白血病で参加した治験は、国内では第Ⅲ相の段階だったが、海外では承認済みの薬だった
- もともと通っていた総合病院は待ち時間が長いので、治験を実施した大学病院に通い続けている