インタビュー時年齢:53歳 (2021年1月)
感染時期:2020年3月
感染した家族:父(当時82歳)・母(79歳)・妹(50歳)・甥(8歳)
背景:首都圏在住の男性、飲食店経営。妻と娘と3人暮らし。
最初に発症したのは、自宅から車で2-30分ほど離れたところで、認知症の母と暮らしていた父だった。その後母と、同じマンションの別室に住んでいた妹(インタビュー11)、甥の感染が判明。当初父以外は自宅待機だったが、最終的には全員が入院した。父は重症化してICUで人工呼吸器を装着したが回復せずに亡くなり、他の家族は全員回復した。自分は濃厚接触者とされたので経営する飲食店を1カ月の休業としたが、復帰後に従業員の態度がよそよそしくなったのはショックだった。
語りの内容
――最初に、その、コロナに感染したって、その、お父さまと妹さんがって聞いたとき、ご自身一番最初にどんなことを思われましたか。一番心にきたことというか。
うーんと……そうですね、今もうコロナに対しての知識あるから…その当時は…コロナなんか関係ねえと。で、おやじだとか妹には会いたいなという気持ちのほうが強かったですよね…はい。
――当時、本当に、その、コロナについてって、どのぐらい、今と比べる、今が、今を例えば100%というか、10にすると、当時の知識ってどのぐらいだったと思います?
半分も行ってなかったと思いますね。はい。
――その、その当時、えっと、その、お父さまとか出掛けられるときにはマスクとかあんまりまだしてない時代、時期だったですかね。もうしてらっしゃいました?
そうですね、あ、ええと、マスクはしてたと思いますよ、確か。はい。
――でも、でも、なんか、そんな身近なこととはみんな感じでなかった。
うーん、そうですね。ここまでくるとは予想もしてませんでした。とにかくおやじも元気だったんで。うん、それが、あの、急に、ね、えー、1カ月もしないうちに死んでしまったっていうのがちょっと、まあ、ショックでしょうがないですよね。元気だっただけにです。はい。