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インタビュー時年齢:49歳 (2021年2月)
感染時期:2021年1月
背景:首都圏在住の女性。ジャズバイオリニスト。一人暮らし。
1月2日から微熱が出ていたが、4日に自分が濃厚接触者になったと知らされたので、インターネットで夜間往診を手配できるサービスを利用して受診、PCR検査で陽性とわかった。保健所の判断で自宅療養となり、発症から10日で隔離を解かれたが、嗅覚障害はその後もしばらく続いた。発症したことで自分のライブだけでなく、仲間のライブまでがキャンセルになった。仕事復帰には安全確認が必要だと思い、1週間後に民間のPCR検査を受け陰性を確認した。
語りの内容
えー、1月12日に保健所のほうから電話が掛かってきて、「もう発症してから10日間たったので、もう人にうつすことはありません、もう明日から、外に普通に出て大丈夫です」というようなご連絡をいただいて、それでも、やはり…えー、仕事の復帰をするのは難しいだろうなと思いました。あの、あまり10日間で人にうつすことがなくなるっていうことが世間では知られてないと思うんですが、それを言ってもなかなかこう、PCR検査で陰性を出さなければ、えー、心配される方が多いので。特にやはり、あの、私、バイオリン教えているので、その…教室の生徒さんなどにご迷惑がかからないように、えー、PCR検査を受けて陰性が出てから復帰ということに、えー、しなくてはいけないかなと思いまして、実際には19日に、えー、またPCR検査を自分で受けに行って、えー、やっとその翌日陰性が出て、社会復帰することができました。
――それで、こう、もう堂々とお仕事できるなみたいな、そんな感じだったんでしょうか。
えー、堂々というか、ま、陰性の証明をして社会復帰ができるっていう感じですね、うん。とてもうれしかったです。
――ってことは、それ(陰性証明)がない状態で、(保健所から)口頭で電話で、「あなたもう大丈夫ですよ」って言われるだけっていうのは、やっぱりすごく、あの、社会生活をしていく上ですごく不都合があるってことですかね。
そうですね。あの、特にそういう音楽教室などでは、ちょっと、PCR検査で陰性が出なくては復帰は許されないのかなというプレッシャーがありました。
――はっきりそのPCR検査受けてくださいって言われたりもされたんですか。
え、言われたりはしなくて、こちらからPCR検査を受けて陰性が出てから復帰しますっていうことを言いました。
――じゃ、なんとなくその空気を察してしまって、そういうふうに思われたということですね。
そうですね。やはり自分も自信を持って復帰できないと思いましたし、そういうこともあるので、ま、ぜひ、あの、PCR検査、あの、コロナにかかった人は、例えばその療養期間が終わって1週間とか、まあ、1カ月以内に1回だけただで受けられるっていうようなシステムを作ったほうがいいんではないかなと思います。
――あるいはもう、その、世間の人がみんなその辺のことをちゃんと理解すれば。
そうですね。
――ま、いいかもしれないですけどもね。
うーん、でも、やっぱり心配ですよね、理解していても。陰性が出たと言われたほうが安心なのかなと思います。
――それはそうですね。やっぱり、その、自分が万が一まだ、ウイルスがあったらどうしようっていうのは、確かにずっとやっぱり不安ですよね。
はい。あの、人にうつす心配ですね。今までは自分がうつる心配をしていましたけれど、人にうつしてしまう心配をずっとしていました。
インタビュー07
- 夜間往診サービスはコロナ疑いの場合は医師が防護服を着て往診してくれる。交通機関を使うと人にうつしてしまう可能性があるので、これはいいと思ってアプリを入れていた
- 保健所から発症して10日経ち、感染性はないから外に出て大丈夫と言われたが、それが世間には知られていないので、PCR検査で陰性を出さなければ職場復帰は難しい
- 自分の感染が判明したとき、一緒にいた仲間は濃厚接触ではないと判断されたのに、ライブハウスから出演を断られキャンセル料すら払われない理不尽な目に遭ったと聞いた
- 発症3日あたりで、どんどん匂いがしなくなった。カレーのような強い匂いもわからず、好きなワインも飲むのをやめた。嗅覚のなくなり方がどこか人工的な感じがした