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インタビュー時年齢:26歳 (2021年7月)
感染時期:2020年12月
背景:首都圏在住の女性。罹患時は北海道在住で恋人(現在の夫)と同棲中。
介護関連会社で総務としてコロナ対策に関わっていたが、感染予防に対する上層部の無理解に退職し、罹患時は職業訓練校に通っていた。当時の自治体基準では、布マスクはマスク着用と認められず、会食した友人と級友2人が濃厚接触者となり学校は5日間休校に。ぜんそく持ちのため中等症者向けホテルで療養となった。その後結婚し、翌年7月に首都圏に転居、現在はデザイナーとして働いている。自身の療養体験をSNSで情報発信し、罹患者やその家族からの相談に乗っている。
語りの内容
ええと、療養終わってすぐその日にレントゲンを撮りたいっていうことで、かかりつけの呼吸器内科に連絡をしたんですよね。あの、療養生活中はレントゲンを受けたりとかっていう検査ができなくって。ま、入院すればそういうのを受けることはできるけど、外来でコロナの人が検査受けれるところはないと。で、ホテルにレントゲンの機械などはないので、もし気になるんだったら療養終わってから、ええと、自分でレントゲン撮りにいってくださいっていうふうにいわれまして。で、まあ母とも相談したんですけど、ま、やっぱもともと咳ぜんそくがあって不安なので、何もないことを確認したいっていうふうに母からも言われたので、かかりつけに連絡をして、レントゲンを撮りたいっていう話をさせていただきました。
で、いったんは予約が取れたんですけども、1時間後ぐらいに病院からもう一回連絡がありまして。で、院長のほうに改めて確認したところ、別の入り口と別の待合室と、別のお手洗いを使うっていうのがまず第一条件と。で、もうひとつ、CTスキャンを受けるんだったら、うちで診察しますっていうような条件をつけられまして。で、まあ、1個目に関しては、感染力がもうないはずなので、ま、ちょっと嫌な気持ちはあったんですけども、まあ、周りの人の気持ちとか病院の気持ちを考えたら、まあまあ、やむを得ないかなとも思いました。ただ、二つ目のCTスキャンっていうところに関しては、ま、CTスキャンって数千円かかるわけじゃないですか。で、別に私もそんな裕福なわけではないので、それを私が必要としてないのに病院の都合で必ず受けてくださいと。で、これは受けないんだったらうちでは診察できませんっていうのは、あの、なんて言うんでしたっけ、そういうの。応召義務っていうんでしたっけ、あの、病院は診察をしてほしいって言った人を断っちゃいけないっていう法律*が一応あるんですけど、それに違反するんじゃないかなと思って。ま、そこでちょっと病院ともめたりはしました。
*医師法第19条第1項「診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」
で、結局それは法務局っていうところに相談したんですけれども、ま、一応そういうやり取りがあった事実は認めてはくれたけど、それは法律に違反する人権侵犯にはならないっていう判断になってしまいまして。で、一応病院のほうには「もう少し丁寧な、配慮のある、声掛けをしてあげてくださいね」っていう、説明は法務局からしていただけたんですけど、特に私のほうに直接まあ、謝罪があったとか、改めてじゃあ診察しますよっていう連絡はなかったので、最終的にはもやもやっとした気持ちが残ってしまいました。
やっぱり、お医者さんの中でもまだコロナに対して間違った認識を持っている人がいるっていうのがこのことですごく分かりまして。あの…ま、お医者さん、病気に対して一番詳しいはずであるお医者さんがそういう対応をしているうちは、例えば会社の人とか学校の先生とかがかかってしまった人に対して間違った対処をしてしまうのは、仕方ないことなのかなと思いまして。なので、やっぱり病気に一番詳しいお医者さんの中ではせめて今のコロナの最新情報をきちんと共有して、で、人権にも配慮した、あの、説明というか、診察ができるようになってほしいなっていうのはすごく感じました。
インタビュー14
- 嗅覚障害がなかなか治らず無臭症が良くなってきたころに、異臭症が出た。ハヤシライスを食べた時、ひどいにおいが口と鼻に充満してしばらく残り続けるので本当につらかった
- 嗅覚異常の治療として Bスポット療法を受けていた。とても痛いのは炎症部分に薬を塗っているからだと思う。引っ越ししたので、首都圏でも受けられる病院を探している
- 療養が明けてからも1ヶ月くらい、何となく身体の調子が悪いのが続いていた。いつもやっている調理で1時間の立ち作業やブログの執筆もつらく、休み休みだった
- 発症直後のだるさがぬけると同時に嗅覚異常が出始めた。においを嗅いで進行を遅らせようとしたが、療養先に着く頃には、においがほぼわからなくなっていた
- 発症した夜、8度以上の熱が出た。翌日には6度台に下がったが、だるさと寒気がひどかった。毛布にパジャマ2枚、暖房を最高にしてギリギリしのげるくらいだった
- せきは、せき止めを飲んでいたのでそこまでひどくなかったが、煙の中で息をしているような、息を吸いづらい感覚が療養期間が終わるまでずっと続いていた
- SNSでの発信がメディアに注目され顔を隠してテレビにも出たりした。否定的な反応もあったが、今は顔を出して私みたいな若者でも大変な思いをしたんだと同世代に伝えたい
- 隔離解除後にかかりつけ医にレントゲンの予約を入れると、一般患者とは別の入り口や待合室、手洗いを使うように言われ、併せてCT検査も受けないと診察できないといわれた
- 感染の2か月後にネイルサロンで感染したことを話したら施術を断られた。身の回りに感染者を見かけないのは、こうした差別を恐れて話さない人もいるからだと知ってほしい
- コロナにかかったことに罪悪感があり、家族にも言わないでおくつもりだったが、祖父の葬儀があったので言わざるを得なくなった。参列した親戚からは優しい言葉をもらえた