インタビュー時年齢:52 歳 (2021年3月)
感染時期:2021年1月
背景:関西圏在住の男性。介護ヘルパー。1人暮らし。
37.5度の熱が出たので会社の指示で仕事を休み、保健所に連絡して翌日PCR検査を受けた。次の日陽性の結果が判明した時には熱は下がっていた。ホテル療養を勧められたがすぐには空きがなく、3日間自宅療養したのちホテルに移って4泊5日過ごした。自宅に戻って会社から送られてきたPCR検査キットで陰性を確かめて、5日後に職場復帰した。自分が担当していた利用者さんは濃厚接触者になり迷惑をかけてしまったが、誰も発症しなくて本当によかったと思う。
語りの内容
――じゃあその診断されたときの気持ちっていうのは、ど、どんな気持ちでした?
いや、ちょっとやばい、いや、「まさか」やったんで。かなりショックでしたね。もう「うわっちゃー」って、なんか「どうしよう」ってなんかいう感じで。
――その「どうしよう」っていうのは。
ちょっと、びびってしまいましたね、はい。
――何がこう、どうしようって感じなんですかね。その、命に関わるかなとか、そういうことではない?
いや、僕じゃないですよ。僕は別にこんなん、絶対そんなん大丈夫やって思ってたんで、やっぱりその仕事ですよね。「あっちゃー」って、そのー、僕と接しとったお客さんですわ、やっぱ。…ですね。ほんまにこの近々の2週間ぐらいで会うた人とか、「うわー、あっちゃー、どないしよ」ですよね、もしそれ、うん、熱出てきたりしたらっていうんが、一番、うん、重くのしかかってきましたね。
――あ、で、結局その方たちは感染しなかったんですか。
そうなんですよ、陰性やったんですよ。それがもう救いでしたね、一番。はい。
――やっぱ、そこの分かるまでってどんなお気持ちでした?
いや、それはもうちょっとね、コロナとか感染者陽性なったら、すごいちょっとリスクのある人らなんで、いや、もう、とにかく一応、祈るような気持ちでしたね。うん。
――そうですよね、やっぱり。怖いですよね。その、もしそういうことになっていたら、お仕事とかにすごい大きな影響が及んでしまいますよね。
そうですねえ。だからメンタル的に来ますね、一番。もしそれで、もし重篤化とかして入院してしまったら、今も治療が続いとるとかなったら、そうですね、仕事もやけど、なんかメンタル的に来ますね。結構、長いこと付き合ってるお客さん、あ、利用者さんなんで、3名とも、うん。
インタビュー09
- 年明けの仕事帰り、熱っぽい感じがしてまっすぐ帰宅した。翌日の午前中もだるく、昼に検温したら37度5分あり、会社と保健所に連絡して翌日検査を受けた(テキストのみ)
- 感染の2か月前から飲みに行ってないので、思い当たる節があるとしたら資格試験の勉強をしていた喫茶店やスーパーでせきしている人がすぐそばに来たことぐらい(テキストのみ)
- 陽性と言われた時はかなりショックだった。自分は絶対大丈夫と思ったが、付き合いの長い利用者さんが感染していたらどうしようというのが重くのしかかった(テキストのみ)
- コロナ感染はかなりの重みのある出来事で人生の教訓にしなければと感じたが、他の人にうつすことなく順調に回復したので、だんだん普通に戻ってしまった(テキストのみ)
- 隔離終了後、翌日から働いていいと言われたが不安だった。会社と相談して休みを伸ばし、民間のPCR検査で陰性を確認してから復帰することになった(テキストのみ)
- 陽性と分かった後、濃厚接触の利用者から連絡をもらった。「気にしないで」「陰性だったよ」と言ってくれたが、迷惑をかけてしまったという思いは強かった(テキストのみ)
- 唯一の家族である兄には陽性になったと伝え、療養中もLINEでやり取りしていた。あとは職場の上司と一番親しい友人に伝えて、それ以外には伏せておいた(テキストのみ)