インタビュー時年齢:49歳 (2021年2月)
感染時期:2021年1月
背景:首都圏在住の女性。ジャズバイオリニスト。一人暮らし。
1月2日から微熱が出ていたが、4日に自分が濃厚接触者になったと知らされたので、インターネットで夜間往診を手配できるサービスを利用して受診、PCR検査で陽性とわかった。保健所の判断で自宅療養となり、発症から10日で隔離を解かれたが、嗅覚障害はその後もしばらく続いた。発症したことで自分のライブだけでなく、仲間のライブまでがキャンセルになった。仕事復帰には安全確認が必要だと思い、1週間後に民間のPCR検査を受け陰性を確認した。
プロフィール詳細
2021年1月2日に37.5℃くらいの発熱があり、上がったり下がったりしていたのでコロナ感染かどうかはわからなかった。熱が下がった1月4日にライブのリハーサルに参加したが、その帰りに自分自身が濃厚接触者になったという連絡を受けた。ネットで医師の夜間往診を手配できるサービスに登録していたので、夜11時くらいに来てもらった。PCR検査を受け、次の日に陽性と診断された。保健所からも連絡があり、軽い症状のため1月12日まで自宅療養するように言われた。最初の3日間くらいは、往診サービスと保健所から1日に1回容体確認の連絡があった。
コロナは日に日に近づいているとは思っていたが、こんなに早く自分がかかるとは思っていなかったので、驚きとがっかりの気持ちだった。また、一緒にリハーサルをした仲間が濃厚接触者になるかどうか心配で、保健所の担当者に確認したところ、自分はずっとマスクをしていたので、濃厚接触者には当たらないと言われた。そのことを仲間やライブハウスに伝えたが、感染者と一緒にいたというだけで仲間の一人がライブをキャンセルされてしまった。
熱は一番高かった時でも37.8度ぐらいで、症状はからだのだるさと首の後ろの痛み、頭痛があり、3日目くらいからは嗅覚障害が強くなった。コーヒーやカレーなどの強い匂いが全くなくなり、好きなワインも飲めなくなった。市販の風邪薬は飲まないほうがいいなどの情報があり迷ったが、眠りやすくするために自分で判断して飲んだら楽になった。父親と弟は医師をやっていて、何かあったら連絡するように言われていたので、一人で療養していても不安や恐怖を感じることはなかった。
発症から10日後、平熱よりは高めであっても37℃まで上がらない状態になっていて、保健所からもう人にうつすことはないと言われ、自宅療養を終えた。嗅覚は50%くらい戻っていたが、完全に治るまでにはさらに2週間くらいかかった。嗅覚障害はこれまでの風邪や花粉症とは違い、嗅覚のなくなり方が「人工的」な感じがして、初めての体験だったと思う。
保健所からはすぐに仕事に復帰してもいいと言われたが、教えていた音楽教室からはレッスン再開を延ばすように強く言われた。自分でも教室の生徒さんには絶対にうつすわけにはいかず、仕事に戻るためには陰性を確認することが必要だと思った。ウイルスが残らないように1週間置き、ネットで2,900円でPCR検査(唾液検査)を受けられるところを見つけて、受けに行った。翌日陰性がわかり、各方面に Facebookでそのことを伝えて仕事復帰できた。これまではうつることを心配していたが、感染後は人にうつす心配ばかりをしていた。これからも音楽教室で教えるために、1か月に1回くらいは検査を受けようと思っている。
保健所は発症して10日経って症状が治まっていたら人にうつすことが無くなる*というが、そのことは世間では知られていないので、社会復帰のために1回くらいは公費でPCR検査を受けさせてほしいと思った。自治体から自宅療養中の人に食料の宅配をするサービスもあったようだが、そのことを教えて欲しかった。また、リハーサルで一緒にいたミュージシャンについても、私がマスクをしていたので濃厚接触にあたらないと判断されたが、それでもライブがキャンセルになったりしたので、保健所はどこからが濃厚接触者になるのかと言うことを、もっとはっきりと社会に伝えてほしいと思う。
*「発症から10日以上経って症状が軽快して72時間以上経過」していることが新型コロナウイルス感染症の2020年8月以降の退院基準となっています。
コロナは日に日に近づいているとは思っていたが、こんなに早く自分がかかるとは思っていなかったので、驚きとがっかりの気持ちだった。また、一緒にリハーサルをした仲間が濃厚接触者になるかどうか心配で、保健所の担当者に確認したところ、自分はずっとマスクをしていたので、濃厚接触者には当たらないと言われた。そのことを仲間やライブハウスに伝えたが、感染者と一緒にいたというだけで仲間の一人がライブをキャンセルされてしまった。
熱は一番高かった時でも37.8度ぐらいで、症状はからだのだるさと首の後ろの痛み、頭痛があり、3日目くらいからは嗅覚障害が強くなった。コーヒーやカレーなどの強い匂いが全くなくなり、好きなワインも飲めなくなった。市販の風邪薬は飲まないほうがいいなどの情報があり迷ったが、眠りやすくするために自分で判断して飲んだら楽になった。父親と弟は医師をやっていて、何かあったら連絡するように言われていたので、一人で療養していても不安や恐怖を感じることはなかった。
発症から10日後、平熱よりは高めであっても37℃まで上がらない状態になっていて、保健所からもう人にうつすことはないと言われ、自宅療養を終えた。嗅覚は50%くらい戻っていたが、完全に治るまでにはさらに2週間くらいかかった。嗅覚障害はこれまでの風邪や花粉症とは違い、嗅覚のなくなり方が「人工的」な感じがして、初めての体験だったと思う。
保健所からはすぐに仕事に復帰してもいいと言われたが、教えていた音楽教室からはレッスン再開を延ばすように強く言われた。自分でも教室の生徒さんには絶対にうつすわけにはいかず、仕事に戻るためには陰性を確認することが必要だと思った。ウイルスが残らないように1週間置き、ネットで2,900円でPCR検査(唾液検査)を受けられるところを見つけて、受けに行った。翌日陰性がわかり、各方面に Facebookでそのことを伝えて仕事復帰できた。これまではうつることを心配していたが、感染後は人にうつす心配ばかりをしていた。これからも音楽教室で教えるために、1か月に1回くらいは検査を受けようと思っている。
保健所は発症して10日経って症状が治まっていたら人にうつすことが無くなる*というが、そのことは世間では知られていないので、社会復帰のために1回くらいは公費でPCR検査を受けさせてほしいと思った。自治体から自宅療養中の人に食料の宅配をするサービスもあったようだが、そのことを教えて欲しかった。また、リハーサルで一緒にいたミュージシャンについても、私がマスクをしていたので濃厚接触にあたらないと判断されたが、それでもライブがキャンセルになったりしたので、保健所はどこからが濃厚接触者になるのかと言うことを、もっとはっきりと社会に伝えてほしいと思う。
*「発症から10日以上経って症状が軽快して72時間以上経過」していることが新型コロナウイルス感染症の2020年8月以降の退院基準となっています。
インタビュー07
- 夜間往診サービスはコロナ疑いの場合は医師が防護服を着て往診してくれる。交通機関を使うと人にうつしてしまう可能性があるので、これはいいと思ってアプリを入れていた
- 保健所から発症して10日経ち、感染性はないから外に出て大丈夫と言われたが、それが世間には知られていないので、PCR検査で陰性を出さなければ職場復帰は難しい
- 自分の感染が判明したとき、一緒にいた仲間は濃厚接触ではないと判断されたのに、ライブハウスから出演を断られキャンセル料すら払われない理不尽な目に遭ったと聞いた
- 発症3日あたりで、どんどん匂いがしなくなった。カレーのような強い匂いもわからず、好きなワインも飲むのをやめた。嗅覚のなくなり方がどこか人工的な感じがした