※写真をクリックすると、動画の再生が始まります。
診断時:23歳
インタビュー時:27歳(2017年12月)
関東地方在住の男性。両親と祖母の四人暮らし。薬学部6年生の夏に突然の下血で発症し、そのまま入院となりすぐにクローン病の診断が出た。その時は絶食とステロイドの投与で、2週間で退院。その後病院の薬剤師として就職し現在も勤務している。就職してからもたまに腹痛の症状が出て仕事を休むこともあるが、重症化はしていない。また職場にも病気のことは開示してあり職場の理解もあるので安心して働くことができている。
語りの内容
僕が、その、学生のときから社会人になったときに。やっぱりなったときじゃないな。学生のときに思っていた、その、社会人の忙しさっていうのは、そんな大したものでもないかなっていうふうに個人的には思っていて。もちろん、あの、仕事自体は大変ですし、責任感もあるし、ストレスがたまるかなとは思うんですけれども、それに耐えられるだけの体というのはみんな持っているかなとは思うんです。で、今の、うんと、僕の場合は、その就職のちょうど活動のタイミングで悪くなったっていうか発症したので、先のことが分からなかったんですけれども、もっと若い年齢で発症していて、ある程度自分の、あの、増悪とかよくなるっていうところの感覚というか、症状の強さというのを分かってさえいれば、特別本当に仕事のところで制限を受けることはないんじゃないかなっていうふうに、今になって思うので。うーん、…まあ、…本当に、うーん、悪いところを見て、その、働けないのかもしれないっていうふうに思うのはもったいないことなのかなっていうふうに思います。
―― あと特に就職、面接のときにですね、自分の病気をどういうふうにその会社側に説明したらいいのかっていうところで悩む方が多いと思うんですけれども、その辺は何か、あの、アドバイスとかありますか。
まず伝えるかどうかっていうところですか。うーん、……難しいですよね。正直、あの、僕は薬剤師として、あの、国家試験を通って免許を持っている職業なので、正直、就職先に困るということはそんなにないんですね。まあ病院が駄目だったら調剤薬局に行けばいいっていうふうに思っていたので、働き口は必ず僕の場合はどこにでもあるんです。ただ、まああの、希望する職種に、狭い恐らく関門に挑むっていう人に関しては、その、他にもたくさん、その、病気を持ってない人たちもいるわけで。まあ、そこの一部分だけ比べられちゃったら、やっぱり(病気は)あるよりはないほうがいいかなっていうふうには、個人的には思うので、伝えないほうがいいのかなとも思うんですけれども、伝えないで働いても、恐らくどっかでほころびは出てくるんじゃないかなとは思うので、僕は伝えたほうがいいかなとは思います。で、まああの、伝えて、その、駄目だったらその職場は自分には合ってないんだなというふうに割り切るのがいいんじゃないかなというふうに思います。
インタビュー13
- 朝から下血があり、痔かと思ったが夕方になっても止まらず病院に行ったらそのまま入院となった。内視鏡検査の結果、回盲部(小腸から大腸への移行部)に病変が見つかりクローン病だとわかった
- 患者の立場になってみると、医療者側には権威というのがあって患者は医療者に言えないことがある、ということが分かった。人と人としてコミュニケーションを取ることが大事だと思う
- 若い頃は人に病気のことを話す時は、投げやりな気持ちで破れかぶれになって伝えていたが、今の彼女にはそういうことなく話せたことが心に響いた
- 面接の時に自分の病気を伝えるかどうかは難しい判断だが、伝えないで働いてもどこかでほころびが出ると思うので、伝えた方がいいと思う
- クローン病の治療薬は、最初はステロイドとサラゾピリンで途中からステロイドを止めてペンタサのみにした。そのほかガスを出しやすくする薬と整腸剤を毎日飲んでいる