診断時:18歳
インタビュー時:30歳(2018年2月)
関東地方在住の男性。妻と二人暮らし。大学1年の夏に痔ろうが悪化し、その治療のため大きな病院に行ったらクローン病の診断をされた。就職してからも悪化して、25歳の頃大腸の腸閉塞を起こしたため、大腸を全摘してストーマにした。障害者枠で製薬企業に転職した後、そこで仕事を頑張りすぎたこともありうつ病になって、休職を経て退職した。現在まだリハビリ中だが、かなり回復してきたので、そろそろ次の仕事を探そうとしている。
プロフィール詳細
大学1年の頃痔ろうが悪化して、何度も切開して膿を出したがなかなか治らず、隣県の大きな病院で診てもらったら、内視鏡検査をしてクローン病との診断がついた。大学時代はずっと痔ろうに悩まされていたが、病気を開示しつつ何とか小さな出版社に就職できた。しかし、徐々にクローン病特有の腹痛や下痢の症状がでて、レミケード(*1)やヒュミラ(*2)なども使用したがなかなか寛解に至らず、25歳の頃に大腸の腸閉塞を起こして救急搬送された。その時点ですでに1回直腸の一部を削除する手術をしていたが、度重なる痔ろうの手術で肛門括約筋も弱くなっており、便漏れが起こる状態だったので、思い切って大腸を全摘し永久的ストーマ(人工肛門)にした。手術は2回とも腹腔鏡(*3)による手術だったので術後の経過はよかった。
手術後はアザニン(*4)という免疫調節薬を使って寛解を維持しており、人工肛門のお陰でQOLはだいぶ良くなった。手術の前に結婚もしていたので、術後収入アップを目指して製薬企業に転職した。この時は障害者手帳を持っていたので障害者枠で入社したが、病気を理由に他の人より仕事ができないということに抵抗を感じて、もっと自分はやれるはずだと勘違いしてしまった。そして、自分も仕事ができる先輩や上司に追いつかなきゃと、焦って色々な仕事を引き受けてしまい、その結果オーバーワークとなり、徐々に体調を崩して行った。体のだるさや脱水症状は、初めクローン病のせいだと思っていたが、一向に改善することなく、ついに会社に行くことができなくなってしまった。
その時点でやっと上司に相談したら精神科へ行ってみようと言われ、そこでうつ病と診断された。一旦休職したが、少しでも早く職場復帰をしたいという気持ちが空回りし、かえって復職をおくらせることになり、結局休職期間が過ぎても改善せず、そのまま退職となった。
退職後専門病院で双極性障害(躁うつ病)と診断され、現在は良くなったり悪くなったりを繰り返しているが、妻のサポートもあり大分改善してきたので、そろそろ次の仕事を探そうと考えているところ。
*1 レミケード:(一般名インフリキシマブ)生物学的製剤(抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤)
*2 ヒュミラ:(一般名アダリムマブ)生物学的製剤(ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤)
*3 腹腔鏡:1センチ前後の穴を3-5か所開けて、そこから内視鏡を入れて行う術式
*4 アザニン:(一般名アザチオプリン)核酸合成を阻害することによる免疫調節薬
手術後はアザニン(*4)という免疫調節薬を使って寛解を維持しており、人工肛門のお陰でQOLはだいぶ良くなった。手術の前に結婚もしていたので、術後収入アップを目指して製薬企業に転職した。この時は障害者手帳を持っていたので障害者枠で入社したが、病気を理由に他の人より仕事ができないということに抵抗を感じて、もっと自分はやれるはずだと勘違いしてしまった。そして、自分も仕事ができる先輩や上司に追いつかなきゃと、焦って色々な仕事を引き受けてしまい、その結果オーバーワークとなり、徐々に体調を崩して行った。体のだるさや脱水症状は、初めクローン病のせいだと思っていたが、一向に改善することなく、ついに会社に行くことができなくなってしまった。
その時点でやっと上司に相談したら精神科へ行ってみようと言われ、そこでうつ病と診断された。一旦休職したが、少しでも早く職場復帰をしたいという気持ちが空回りし、かえって復職をおくらせることになり、結局休職期間が過ぎても改善せず、そのまま退職となった。
退職後専門病院で双極性障害(躁うつ病)と診断され、現在は良くなったり悪くなったりを繰り返しているが、妻のサポートもあり大分改善してきたので、そろそろ次の仕事を探そうと考えているところ。
*1 レミケード:(一般名インフリキシマブ)生物学的製剤(抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤)
*2 ヒュミラ:(一般名アダリムマブ)生物学的製剤(ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤)
*3 腹腔鏡:1センチ前後の穴を3-5か所開けて、そこから内視鏡を入れて行う術式
*4 アザニン:(一般名アザチオプリン)核酸合成を阻害することによる免疫調節薬
インタビュー19
- 病気になると周りの人間と自分を比べてしまいその差を感じてしまうが、周りの人と一緒にやれることも必ずあるので、そういったところで楽しんでもらいたい
- クローン病があっての私と思っている。周囲には、仲が良くなっていく段階で病気を伝えている。隠そうとは思っていないし、抵抗感はない
- 治療の情報を調べて、自分から主治医に薬の提案などをしてきた。主治医は、それを否定せず、主治医なりの考えを話してくれて、相談しながら治療を進めることができていると思う
- 最初は面接でも病気のマイナス面ばかりを無意識のうちに出してしまい、就職もうまくいかなかったが、病気は自分のステータスと割り切ってプラス面を出すようにしたら、就職もできた
- ストーマの装具には色々あるので自分の肌に合ったものを着けることが必要。装具の交換は2~3日くらいに行っているが、できるだけ長く使いたいが、一方もれもでるのでそのタイミングは難しい
- ストーマにしてからスキューバダイビングや温泉には抵抗があったが、最近は案外見られていないんだと気が付いてから抵抗は薄れてきた
- 痔ろうが悪化して痔ろうがんの心配もあったので、4年前に大腸全摘の手術をしてその時にお尻の方は閉じて永久人工肛門にした
- 痔ろうの手術を何度もして肛門も緩くなっており、便漏れも度々あったので、このまま生活するのは厳しいということで、妻とも話し合って大腸全摘、ストーマ造設の決断をした
- 腹痛や下血が酷い時はステロイドも使った。使ったり止めたりで通算2年くらい使っていたが、手術の後は使っていない