診断時:23歳
インタビュー時:27歳(2018年3月)

九州地方在住の男性。両親、祖母と4人暮らし。大学を卒業して焼き物の職人になろうとして窯元で働いている時に発症した。最初はくるぶしのところが腫れて歩けないくらいになって整形外科に行った。そこで血液検査をして炎症反応がでたので、大きい病院で検査をしたらその時は膠原病の疑いだったが、実家の近くの病院でクローン病と診断された。その後ステロイドとイムランで寛解と増悪を繰り返してきたが最近は整腸剤だけで寛解を維持している。

プロフィール詳細

 クローン病を発症した時に働いていた窯元では、成形の仕事をしていて、それは一定の時間離れずに見ていなければならず、その間にトイレに行ったりしていては製品がだめになってしまうということで、その仕事を断念した。その時は実家を離れて一人暮らしをしていたが、発病して実家に戻った。

 実家の近くの病院に入院して、最初は絶食でストロイド(*1)治療をしたら寛解になったが、ステロイドを減らすとまた悪化するという繰り返しだった。その後イムラン(*2)を使ったら良くなったが長続きせず、GCAP(顆粒球除去療法)(*3)なども1クールやったがあまり効果は感じられなかったので、1クールで中止した。最後はレミケード(*4)を使ったら良く効いたが、肺にカビが生えるアスペルギルスというウィルス性の肺疾患になってしまったので、レミケードも中止した。しかし、抗生剤でその肺疾患が治ってからは整腸剤くらいで寛解を維持している。

 ステロイドの副作用は最初の頃だけ少し出て、色々なものに過敏になってしまい、光がすごくまぶしかったり、車がすごく速く感じたりしたことがあったが、しばらくしてからなくなった。

 母親は初めの頃はクローン病のことをよく理解できていなかったみたいで、軽く考えていたようだが、入退院を繰り返すようになって、最近は理解してくれるようになった。特に食事には気を付けてくれていて、消化の悪いものは避けて作ってくれている。

 窯元の仕事を辞めてからは、スーパーなどでアルバイトをしていたが、現在はアルバイトを続けながらリハビリ関係の大学に通っており、作業療法士の資格を取って、その方面の仕事をしたいと考えている。

 自分もそうだったが、若年で発症して親にもなかなか相談しづらい時もあるが、一人で抱え込まないで誰かに相談してほしい。身近に誰もいない時は患者会もあるので、そこに行って同病の先輩に話を聞いてもらうだけでもとても気持ちが楽になる。是非そういうところも活用してほしい。

*1 ステロイド:副腎皮質ホルモンの1つで体の中の炎症を抑えたり、体の免疫力を抑制したりする作用があり、さまざまな疾患の治療に使われている。副作用も多いため、IBDでは一般的には寛解導入に使われるが寛解維持には使わない。
*2 イムラン:(一般名アザチオプリン)核酸合成を阻害することによる免疫調節薬
*3 血中の白血球の一部である顆粒球を吸着除去する治療法
*4 レミケード:(一般名インフリキシマブ)生物学的製剤(抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤)

私は: です。

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