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診断時:19歳
インタビュー時:38歳(2018年3月)
関東地方在住の女性。一人暮らし。18歳の時に下痢が続き大学病院へいったらすぐにクローン病と診断された。その後専門病院に移り治療を続けたが、狭窄があり、3回手術をして30代中半の時にストーマも造っている。病気のため大学も何年か遅れて入学し、20代後半になって仕事を始めたが、病気のことは隠して就職した。今の職場でも管理職の人には言ってあるが周りの人には病気のことは話していない。ただ、仕事の内容から、病気が仕事の支障にはなっていない。
語りの内容
―― 具体的に何かこう、こういう言葉を言われてよかったとか、あるいは逆に傷ついたとかっていうことはあります?
えーと、やっぱりそうですね、あの、言われてうれしいのは何か…、これはある、この言葉を言ったらある先生しか言っていなさそうなので特定できてしまうんですが(笑)。あの、若い患者さんに会うと、その先生は「医者になったらいいじゃない」と言うんですよ。うん、「お医者さんになったらいいじゃない」って言うんですよ。で、実際にお医者さんになった方がいらして、先生のご助言で。
で、あの、ある意味、健康な方よりもすごいことを成し遂げているようなクローン病の患者さん、あの、いるし、潰瘍性大腸炎の患者さんはいらして、それはもう、こう諦めないっていう、病気に罹患したから人生を諦めないような生き方だと思うんですね。
なので、私も今自分のこの職(心理カウンセラー)に就けている、諦めなかったんです、高校のときからの夢を。で、あの、だと思いますし、そういうような希望を与えてくれるんですよ、何にでもなれるような言い方を。「医者になればいいじゃない」とかって言われたら、え、そんな脳みそないですけどって思いながら(笑)、全然違う「大丈夫だよ、勉強すれば」って。
やっぱり、でもかっこいいのは、やっぱり「死ぬほど勉強しろ」とは言うんですけど(笑)、そのぐらい勉強したら誰にでも、その、難病患者であっても、何にでもなれるよというような言い方をしてくれる。もう、もちろんね、スポーツ選手とかきついものもあるかもしれないんですけれども、あの、道を変えれば、あの、こう結構すごい職業に就けている方はいて。そういう、こうあれも駄目、これも駄目、食べ物駄目とか、入院してなきゃ駄目とか、こう将来を摘む言葉より、まあ実際そうなんですけど、ところもいっぱいあるんですけど、そういうこう希望を与えるような言葉をおっしゃってくれる、あの、社会的なものとして社会に適応できていけるっていうのがやっぱりうれしかったです。それが一番ですかね。
インタビュー23
- 他の患者さん(特に若い女性)に思うことは、諦めないでほしいということ。職業でも結婚や出産でも、今はもう色々な方法もあるので諦める必要はないということ(音声のみ)
- その医師は若い患者に対して「医者になれ」とよく言う。「死ぬほど勉強すればなんにでもなれる」と。後ろ向きの言葉ではなく希望を与える言葉がうれしかった(音声のみ)
- 患者会に行くと、手術の話や仕事や恋愛などで挫折した話も聞き、病気による苦悩を目の当たりにすることもある。病気を受け入れる準備ができていないと辛いこともあるかもしれない(音声のみ)
- 母子家庭で母親が食事を作ってくれなくて外食ばかりになったことが、発症の原因だと思う。お金は出すけれど後は「自分で頑張って生きていきなさい」という家庭環境だった(音声のみ)
- 昔からの友人は病気のことも理解してくれて、結婚式の料理でもわざわざ特別料理を頼んでくれたりした。最近の友達にはあまり病気のことは話していないがそれほど困ることはない(音声のみ)
- 障害者手帳を持っているとストーマの代金について補助金がでる。この補助金は直接現金が支給されるのではなくストーマの代金から控除される形になる(音声のみ)
- においや音をコントロールするのは大変で抑うつっぽくなった。ストーマ専門のナースに聞いたり患者同士で相談したが、女性にとってボディーイメージが崩れることは辛かった(音声のみ)
- 最初の手術は小腸と大腸のつなぎ目の切除、2回目は胃と十二指腸を繋ぐ幽門と直腸の切除で大腸ストーマも造った。3回目は大腸に穴が開いて緊急オペとなり、小腸ストーマになった(音声のみ)
- ステロイドは入院している時に別の病気の人が使って重篤な副作用が出たのを見てしまったので使いたくなかったが、医者に言われて少しは使ったことがある(音声のみ)