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診断時:20歳
インタビュー時:41歳(2018年9月)
関東地方在住の女性。夫と二人暮らし。大学1年の冬頃に結節性紅斑という硬くて赤い斑点がたくさんできて、受診した皮膚科ではベーチェット病を疑われた。その後痔ろうがみつかり手術をしたが、術後も熱が続いたので内科に行き、検査の結果クローン病と判明した。病気をきっかけに自分がやりたいことをやろうと思い、歌のレッスンを始め、ニューヨークにも行った。診断から8年くらいは長期の入院を何度かしたが、今は食事の管理だけで薬は飲まずに寛解状態が続いている。
語りの内容
―― まあ、あの、そういう方(若い方)に向けて何かメッセージみたいなのはありますか。
うーん。何かこう、あんまりこうね、私みたいな者がって感じなんですけど、私自身で言えばやっぱりその…、希望とかがあったのがよかったんですよね。歌とか、その自分の好きなこととか、その…、それがあったから、あの、良かったと思っているので、何か病気のことを治す、病気を治すっていうことのほうに目がいき過ぎちゃうとつらいかなと思うので…、何か自分にとっての希望があったほうがいいような気はしています、自分自身では。
―― あの、そういうふうにあなたのように、まあ、あの、かなりね、いっとき、すごく悪かったんだけれども、えー、こう…、今ではもうほとんど症状がないというような方っていうのは、やっぱり一つのその希望になると思うんですよね。
そうですよね。だから何かあんまり、すごい、こんなことを言っていいのか分かんないですけど、その言われていること、あの、お医者さんから言われていることとかが全部正しいって思わなくてもいいかもしれないとはいつも思っています。何か、自分にとっての何かよくなる方法っていうのがあると思うので。
で、私、直接の知り合いじゃないんですけど、やっぱりお肉中心で食べてよくなった人っているんですよね。なんで、あなたにとってどうなのかっていうことは、こういつも問い掛けるっていうのはすごい、自分ではすごい大事かなって思っているんですよね。
―― そうすると、まあ、あなたの場合には、そういう歌をやりたいという、そういう希望がその、まあ、病気にとってもよかったんじゃないかということですかね。
そうですね…。うん。そうですよね。
やっぱり、こう喜びにあふれるので、体が。何かストレスってすごく悪い、腸内細菌を殺すとかいうじゃないですか。だから、私にとってはそれがすごくこう自分の精神のバランスを保つためにすごくいいものだったと思うので。まあ、誰にとっても歌がそういうもんだとは思わないですけど。
でも、それぞれに、そういうものが何かしらあるだろうし、それが何かこう大きな夢じゃなくてもいいし、もしかしたらすごく身近にいる誰かのために何かをするっていうことがその人にとってのすごくこう何だろう、精神的なこう満足っていうか幸せを得られることかもしれないし、もうそれは本当に一人一人違うことだと思うので。
あの、一般的にいわれていることはこう踏まえつつも、でも、それ本当に私にとっていいことなの?っていうのは、あの、見ていくといいのかなっては、あの、自分の体験としてはすごくありますね。
インタビュー33
- 下痢の回数が増えてくると、炎症反応も高くなり、熱が出て入院していた。体調が悪くて、普通には生きていられない感じだった
- 大学時代はクローン病だけでなくアトピーが酷くてあまり大学には行けなかった。アトピーはクローンの合併症かどうかはわからないが、自分では関連があると思っている
- ニューヨークにいるころ一番つらかったのは下半身の鈍痛で、階段で足が上がらなくなったことがあった。横になるのが一番楽だが、じっと立っているよりは歩いている方がまだ楽
- 私の場合は歌があったのがよかったと思う。病気を治すということに目が行き過ぎないようにすることも大事。そして精神のバランスを保つために、喜びにあふれるものを持つことが大事だと思う
- 病気になる前は親が敷いたレールの上を歩いてきたが、現実に突き当たって、そのストレスで病気になってアラームが鳴った。それからは自分で物事を考えるようになった
- 今の夫と付き合いだした頃は病気のことを隠していたが、本格的に付き合う前には病気のことを説明した。でも彼には病気のことは調べないでくれと頼んだら、本当に調べなかった
- ニューヨークに行っていた時にホストファミリーからタヒチアンノニジュースというのを体にいいからと飲まされた。それがよかったのかわからないが帰国してから症状が改善された