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診断時:19歳
インタビュー時:52歳(2017年9月)
追加インタビュー時:56歳(2020年9月24日)
関東地方在住の男性。妻と子ども二人。学生時代に発症し腸管破裂で緊急手術をした。その後は腸閉塞で緊急入院したこともあったが、全体的には落ち着いた状態が続いて、その間に結婚をして子どもも二人もうけた。しかし、45歳のころから悪化し、レミケード等を試してみたが、結局直腸がんが見つかり摘出手術をし、その時人工肛門にした。2018年6月頃ヒュミラを使いだしたが皮膚トラブルがでたので中止した。また貧血が酷くなり輸血をすることもあったが、ビタミンB12が効いたようで、それ以降貧血も改善した。
語りの内容
ある日ちょっとだるくて、これまずいかな、のども痛いしとかっていうことで、まあ念のためなんですけども、自費で近隣の病院に。まあ、病院に行く前には保健所さんに相談して。まあ、検査やってる病院に行って、検査をしてもらってください、あとはドクターの判断ですっていうことだったんですけど。
――検査を受けたときの感じというか、まあ採血はいつもどおりだったと思うんですけども。綿棒をこう、お鼻の奥にこう、ぐっと突っ込む。やつですかね。
はい、そうですそうです。
――何かこう、ご自身としては、感覚としてはどうでしたか。
まああの、病気の性質から、あちこち指突っ込まれたり、何されてたか、何してるか慣れてるんですけれど。まああの、改めてコロナのために、綿棒、まあ普通の綿棒じゃないですしね、大きいしね。突っ込まれて、グイグイとやられて。しかもそれが、えーと、普通の病院の処置室ではなくて、車の、その座席に座って、ドア越しに、窓越しにやってもらうっていうのは、まあちょっと不思議な感じでしたよね。
――やっぱ、かなりこう、その体制も含めて、独特な雰囲気だった。
そうですね、はい。だから、車でない人どうしてるの、どうしたのっていうと、車でない方も受け付けてくれるんですけれど、病院の、その、ちょっと端のほうの木陰にベンチが用意してあって。間隔を置いてね。で、そのベンチに一人、一台につき一人ですね、座って。で、そこであの、まあ今申し上げた、同じことをやるんですけども、綿棒をやってとか、採血してとかっていうのをやって。さすがにでも、木陰といっても真夏に1時間とかね、待ってるのがちょっと大変でしょうから、まあ他でちょっと、いったんどっかで休んでるとか何とかっていうことは、されてたみたいでしたけども。
そういう真夏の、さんさんと日が差す三十何度とかっていう中で、看護師さんたちはみんな防護服を着て、完璧な装備をして。受けるほうは、そういった状況で、何か普段とはちょっと、普段にはない状況で検査を受ける。すごく何か、まさしく何かこのコロナで、世界が変わってしまったっていうことをね、ちょっと感じましたね。
――そうすると、検査を受ける前と受けた後で、かなりこう、印象が変わったっていう感じですかね。
そうですね。あの、やっぱり先ほど申し上げたように、この地区ではあんまり聞かないですし、まあ皆さんマスクしたり、当然気を付けてはいますけども、まあ人口の1%もないような、感染者数ですから。まあそういう意味では、テレビで見て絵空事だったのが、かなりこう、リアルな感じで体験させられましたね。(2020年9月追加インタビュー)
インタビュー06
- 食事に関しては、家内の負担にならないように特別な配慮はしなくていいと言ってあるので、子ども中心の食事で、自分は食べられるものを選んで食べている
- 5年前に直腸がんが見つかってストーマを造ったが、あえて子どもに話したことはない。ストーマだけでなくがんについての説明をすることになるので、お風呂も一緒には入らない
- 職場での昼飯は一人残って時間をかけて食べていた。夜の飲み会でも食べられるものだけ選んでたべていたので、割り勘負けはしたけれど普通に付き合っていた
- 就職活動で最初は正直に病気を開示したが、どこも採用してくれなかったので、主治医に「炎症性の腸疾患があるけれど通常勤務に支障はない」というコメントを書いてもらって、採用に至った
- 腸管が破裂して緊急手術となったもので、その破裂した個所だけでなく潰瘍のあるところまでを切除したので、小腸の3分の1と大腸の広い範囲を切除した
- 手術の前には、家族に心配かけるとか色々悩みもある。しかし、手術を引き延ばしてもいいことはないので、やると決めたらさっさとやってしまう方がいいと思う
- サラゾピリンを使っていると尿だけでなく精液もオレンジ色になりびっくりした
- レミケードは最初は劇的に効いたが、狭窄があったためにお腹が張ってしまった
- 難病と言われても大変なことだとは思ったが先のことは想像がつかなかった。さんざん病院を回って診断がついたので、やれやれと思った
- 便のドレナージというのはお尻から直腸に管を入れて排便する方法。管を常時差し込んでおいて、テープで止めて足元のドレナージバックに流し込むというもの
- 「基礎疾患」を枕ことばのようにして周りの人は心配してくれるので気を付けないといけないのかな、と思っている。感染に注意する必要性は患者会でもお話している
- 生物学的製剤を使っている人は風疹ワクチンを打てないので、コロナのワクチンも普通の人みたいには使えないかもしれないと心配した。自分が普通の人と違うことを改めて実感させられる
- 倦怠感とのどの痛みが続いたので保健所に相談して抗原検査を受けた。その時、駐車場の車の中で受けた検査の異様な雰囲気が印象に残った